拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

非日常

あなたへ

 

あの子との時間は、非日常なんだな

 

これは、あの子が巣立ち、

初めてのお盆を過ぎた頃の私の中に初めて見つけた気持ちでした。

 

例えば、家の中に見える景色や会社で見える景色。

自分にとってのいつもの生活の中へ溶け込んだ時間の中に見える景色が、

日常的な景色であるのなら、

旅行へ出た先で見ることの出来る景色は勿論のこと、

家の中にいながらも、いつもとは違った景色の中を過ごすこともまた、

非日常と呼べるのでしょう。

 

あの子が巣立った後の私の日常生活の中には、あの子はおらず、

そして、此処から巣立ち、

全く別な環境に身を置くようになったあの子の日常生活の中にもまた、

私はもう、いないのです。

 

それぞれが別な時間の流れの中に存在し、

それぞれに別な日常生活を持つようになった私たちが、

同じ環境で、ひとときを共にすることは、

2人にとって、非日常の時間を過ごすということでもあるのでしょう。

 

あの子が巣立ってからの私は、

その時々で、様々な気持ちを見つけて来ました。

 

きっとこうして、色々な始めてを経験しながら、

様々な気持ちを見つけ、感じ切って、少しずつ、少しずつ、

漸く本当にひとりに慣れて行くものなのだろうと、

お盆が終わり、あの子の荷物がなくなって、

酷く殺風景に見えた部屋の中を何度も見回しながら、

子育てを終えた初めての夏に感じたこの気持ちを、

味わい尽くしたのでした。

 

この夏に初めて感じた気持ちを改めて思い返してみれば、

子育てというのは、実に奥深く、様々な視点を与え、

多くのことを学ばせてくれるものなのだと、改めて感じています。

 

さて、明日からあの子が帰ってきます。

 

このお休みのあの子は、どんな笑顔を見せてくれるのでしょうか。

どんな声を聞かせてくれるのでしょうか。

 

きっとまた、あの子は出たり入ったりと忙しなくて、

バタバタと過ぎ行く時間となりそうですが、

かつては日常だった非日常の時間を、

精一杯楽しみながら、大切に過ごしたいと思います。

 

 

 

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