拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

あの子のサンタクロース

あなたへ

 

どんなに遠くに離れていても、

あの子が幾つになっても、

私はあの子のサンタクロースであり続けたい。

だってあの子は、幾つになっても私たちの良い子だもの。 

 

ふとこんなことを考えたのは、

少しずつ寒さを感じられるようになった頃のことでした。

 

クリスマスムードに包まれた賑やかな景色を見つめながら、

私の中へと鮮明に蘇ったのは、昨年の冬の日のこと。

 

あの日の私は、

こうしてあの子の枕元へプレゼントを置いてあげることが出来るのも、

最後なんだなって、

それまで集めたあの子の笑顔を、順番に思い出したのでした。

 

何も知らなかったあの子に、

サンタクロースを教えたのは私たちであったはずなのに、

あの子が巣立った後は、何もかもが全部終わりだなんて、

なんだか少し寂しいなって、

賑やかな景色は、ふと私をこんな気持ちにさせたのです。

 

だってあの子は、サンタクロースはいないだなんて、

ただの一度も言ったことはなかったもの。

 

そうして私は、思い付いてしまいました。

それなら私は、

一生あの子のサンタクロースでい続けようと。

 

もう、あの子の枕元へとプレゼントを置くことは出来ないけれど、

配送という手段があるではありませんか。

 

あの子の成長と共に、

我が家のクリスマスの形は様々に変わり続けて来ましたが、

これは、あの子が巣立った後の我が家の新しいクリスマスの形なのです。

 

クリスマスにはね、

サンタさんがプレゼントをくれるんだよ

幼かったあの子に、こんな話をした日のことを覚えていますか。

 

まさか、あれからずっと先の未来の私が、

こんなことを思いつくだなんてね。

なんだか笑ってしまうけれど、

あの子が巣立ち初めての冬には、

我が家の新しいクリスマスの形を見つけました。

 

もう、枕元にプレゼントを見つけたあの子の、

嬉しそうな笑顔を見ることは出来ませんが、

今年は、あの子の嬉しそうな声が届きましたよ。

サンタさんにありがとうって伝えてねって。

 

あの子の声を聞きながら、今度はこんなふうに、

新しい形で、

あの子とのクリスマスの思い出を集めて行けたらいいなと思いました。

 


P.S

今年のあなたの枕元にも、

クリスマスプレゼントは届いたでしょうか。

きっと今年のあなたも、

素敵なクリスマスの朝を迎えることが出来たと信じています。

 

 

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