拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

涙の色

あなたへ

 

ここ最近のこちらでは、温かい日が続いていましたが、

今日のこちらでは、とても寒く、冷たい雨が降りました。

 

降り続く雨を見つめながら私が思い出していたのは、

あなたを見送ってから知った様々な涙の色でした。

 

枯れることのない悲しみの涙の色。

 

ただ、穏やかな気持ちのする涙の色。

 

何故、零れ落ちるのか、

明確な理由が分からないままに流した涙の色。

 

あなたを想い流す涙は、これで最後にしたいと、

卒業を決めることが出来た涙の色。

 

子育ての終盤に、私が初めて知ったのは、

喜びと寂しさが入り混じった涙の色。

そして、

あの子の巣立ちを迎えて知ったのは、

記憶の中の一瞬一瞬にいるあの子が、

ただただ愛おし過ぎて流した涙の色でした。

 

あなたを見送り、

枯れない悲しみの涙を流し続けていた私は、

やがて、

大切に集めて行きたいと思えるような涙の色と、

出会うことが出来ました。

 

ねぇ、あなた。

涙には、こんなにもたくさんの色があるんだね。

 

此処から先へと歩んで行けば、

今の私がまだ知らない、

素敵な涙の色と出会う日もあるのかも知れませんね。

 

小さく呟いたこの声を、

もしも何処かであなたが聞いてくれていたのなら、

あなたはどんな顔で、

この言葉を聞いてくれていたのでしょうか。

 

あの夏からの私は、

枯れることのなかった悲しみの涙をたくさん流しながら、

きっとあなたへ、たくさんの心配を掛けてしまいましたね。

今度はね、

あなたにも伝えたい素敵な涙の色を集めて行けたらいいなって、

今日の私は、降り続く雨を見つめながら、

ふと、こんな気持ちを見つけることが出来ました。

 

 

 

 

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