あなたへ
先日、あの子と一緒に、
オケラをインターネットで調べながら、
私が幼い頃に捕まえて遊んでいた「ゴハンツブ」のことを思い出していました。
今となっては、ゾッとしますが、
幼い頃は、虫が平気だった私。
カマキリ
バッタ
カブト虫
クワガタ
カミキリムシ
蝶々
トンボ
蝉
近所で捕まえた虫は、何でも虫かごに入れて観察していたあの頃。
私の一番のお気に入りは、ゴハンツブと呼んでいた小さな虫でした。
庭に生えていた、青い実の成る植物付近でよく見かけたその虫は、
丁度、米粒くらい。
大きさも形も、米粒によく似ていた、ピョンピョン飛ぶ虫。
色は、緑、白、黄色、ピンクの4種類。
名前を知らないその虫が、
ご飯粒が飛んでいるみたいに見えたことから、
「ゴハンツブ」と呼んでいたことを話した私に、あなたは、言いましたね。
俺、そんな虫、知らないよ
それ、幻じゃないの?
お前、友達いた?
大丈夫?って。
笑いながら、私をからかったあなた。
ねぇ見て、ピンクのゴハンツブみつけたよ
本当だ、僕は緑のゴハンツブしかみつからないよ
ピンクのゴハンツブは、あまりいないんだよね
確かに、近所のたっくんと、しーちゃんと一緒に遊んだ記憶。
いつかのあなたに、からかわれたことを思い出した私は、
ゴハンツブと呼んでいたあの虫の正体を探るべく、
虫の画像に戦きながら、長時間に渡り、
インターネットで検索してみました。
今は、何でもインターネットで調べられる時代。
にも関わらず、
ゴハンツブを見つけることは出来ませんでした。
何故でしょうか。
幼い頃の記憶とはいえ、確かな記憶。
何度も捕まえては、観察していたゴハンツブは、
あなたが言っていたように、幻だったのでしょうか。
それなら、
近所のたっくんとしーちゃんも・・・?
確かに、同じものを見て、一緒に成長し、
幼稚園も小学校も一緒に通っていたはずの私の友達。
全てが幻だったのでしょうか。
「見て、ゴハンツブみつけたよ」
あの頃の、
たっくんとしーちゃんの笑顔が、鮮明に蘇ります。
秋も深まり、肌寒くなりました。
何故か、寒気がしたのは、季節のせいでしょうか。