あなたへ
立春を過ぎ、今年のこちらでは、
例年よりも早くに、春一番が吹いたそうです。
春のような暖かな陽気に、上着を暑いと感じる日があったり、
そうかと思えば、
強く冷たい風に身を竦めて、春はまだ先なのだと感じさせられたり。
寒暖差に、翻弄されながらも、
時々感じるようになった春の気配には、
意味もなく、心が躍るような気持ちになりました。
今は、丁度、冬と春の間。
季節の変わり目を眺めながら、
あの夏から、
7つの年を重ねるはずだったあなたを想いました。
春を感じる暖かな日には、2人で、散歩を楽しみながら、
穏やかな空を眺めてみたかったですね。
真冬のような冷たい風が吹く日には、
温かいコーヒーを飲みながら、
ゆっくりと、お喋りを楽しんでみたかったですね。
もしも、あなたが此処にいてくれたのなら、
あれから、7つの年を重ねたばかりのあなたの瞳には、
この世界は、どんなふうに映ったのでしょうか。
2月の最終日の今日のこちらでは、
とても綺麗な青空が広がりました。
春は、もうそこまで。
こちらでは、
また新しい季節が巡ってきます。