拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

愛しみながら

あなたへ

 

あなたにお線香を上げて、手を合わせること

 

返事をくれないことを知りながら、遺影に向かって、声を掛けること

 

そして、

 

少しも減らないあなたのマグカップの中身を捨てて、

新しいコーヒーを淹れ直すこと

 

日常の中に溶け込んだこれらのひとつひとつに、

私は、いつから慣れてしまったのだろう。

今、私の目の前にある現実を見つめながら、胸の奥が、痛く、苦しくなりました。

 

こんな時に見つける胸の奥の痛みは、

あの夏のまま、何も変わらなくて、

胸が、苦しいのに、

本当は、あなたに逢いたくて、仕方がないのに、

それなのに、

私は、まだ見ぬ景色を楽しみに、

新しい明日を望んでしまうのです。

 

振り返っては、泣きながら、

あの夏にいるあなたに、何度も手を伸ばしてしまうのに、

胸の奥が酷く疼くままで、

それでも、

私は、未来を楽しみに、

前へと歩んでみたくなってしまうのです。

 

「愛しむ」

 

この言葉には、たくさんの意味があることを知ったのは、

いつのことだったでしょうか。

そこに意味を込めた最初の人は、

こんな気持ちで、誰かを想いながら、歩んでいたのかも知れませんね。

 

なんだか、涙が溢れてしまうけれど、

あなたを愛しむ気持ちを大切にしながら、

私はまた、此処から先へと歩んで行くよ。

 

この胸の痛みや苦しさも、全部、抱き締めたままで。

 

 

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