拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

お盆の思い出

あなたへ

 

もう、そちら側へは着いたでしょうか。

今年のお盆も、とても楽しかったですね。

 

あの子、昨年よりも随分、逞しくなったでしょう?

鏡の前でポーズを決めて、

筋肉の確認をするあの子の姿も見ていたでしょうか。

 

その姿が見えないままに、ふと、私の中に思い浮かんだのは、

あの子を見つめながら、ただ穏やかに笑うあなたの姿でした。

 

ねぇ、あなたは、あの子にどんな言葉を掛けたのかな。

 

あなたが帰って来てくれた初日の夜には、あの子が眠った後で、

これまでのことを振り返りながら、色々な話をしましたね。

 

あの時は、泣いてしまってごめんなさい。

 

不思議ですが、

歪んだ視界の向こう側、

私の髪に手を伸ばすあなたの姿が見えた気がしました。

 

あの時、私の胸の中に浮かんだ言葉は、

きっと、すぐ側にいてくれたあなたからの想いとして、

受け取っても良いでしょうか。

 

あの時は泣いてしまったけれど、

楽しいことも、たくさんありましたね。

 

家の中で、のんびりと過ごす時間が多かったけれど、

特に何もしていなくても、

家族3人でいられただけで、ただ幸せでした。

 

ねぇ、あなた。

あなたが帰る前日の夜の食事の時間は、なんだか、とても不思議でした。

 

毎年のお盆には、あなたが好きだったものを手作りするのが、

私の中での恒例でしたが、

あなたが帰ってしまう前に、あなたが好きだったアレを食べようって、

急に思い立ったあの案は、

あなたからのリクエストだったのでしょうか。

 

たまには、外食でもしようよって。

 

こちら側の状況もあって、

あなたが好きだったものをテイクアウトすることになりましたが、

あの日の夜は、なんだか、パーティみたいで楽しかったですね。

 

お肉、少し貰ったら?

 

あなたからのこんな想いが、私の胸の中に届くような感覚があって直ぐに、

少し食べたら?って、あの子から、

お肉を勧められた時は、驚いてしまったけれど、

それはきっと、あなたからのメッセージ。

此処にいるよって。

 

毎年のお盆には、少しだけ不思議な思い出をくれるあなた。

 

やっぱりあなたは、側にいるのだと、

あなたは今年も、その証拠を私に見せてくれました。

 

今年も、素敵な時間をありがとう。

 

昨年と同じように、

あなたへのお供物を、バッグに纏めておきましたが、

ちゃんと持って行ってくれたでしょうか。

 

あなた。

また来年ね。

 

きっと帰ってきてくださいね。

 

 

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