拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

あの夏からの私

あなたへ

 

明確な理由も分からないままに、

私はきっと、もう長くは生きられないのだと思っていたのは、

あなたを見送ったばかりの頃の私でした。

 

あなたの年齢と並ぶこともなければ、

あの子が大人になる姿を見届けることも、きっと出来ないのだろうって。

 

新しい明日など、もういらない。

 

そんなふうにさえ考えていたあの頃の私は、

せめてあの子が社会人になるまではと、初めて生への目標を持ち、

辛くても生きなければいけないのだと、

時には自分に鞭を打つような歩み方でもあったけれど、

無理矢理に自分を奮い立たせては、

一歩ずつをゆっくりと歩みながら、

やがて、明日も生きたいと思える私へと変わっていきました。

 

何気ない1日を、

掛け替えのない宝物だと思えるようになって、

今日も元気に過ごすことが出来て、幸せだったなって、

新しい明日を楽しみに思いながら、

眠りに就く私へと変わることが出来ました。

 

今日の私は、あの夏からの続きを、ちゃんと生きることが出来たのだと、

しみじみと、こんなことを考えていました。

 

あの夏からの私は、1日も欠けることなく、この世界での時間を過ごしながら、

気が付けば、生きたいと思えるようになって、

生きていることに喜びを感じるようにもなったんだなって。

 

だからね、今日の私は、

今日もこの世界で、掛け替えのない大切な1日を元気に過ごすことが出来たよって、

あなたに、こんな報告をしたいなと思いました。