拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

運命の相手

あなたへ

 

この人だ。

やっと会えた。

 

あなたと出会った瞬間に感じた、

あの、なんとも言えない不思議な気持ちを思い出していました。

 

運命的な出会い。

運命の人。

 

こんな言葉を聞くと、そこにあるのは、

なんだか御伽話のような世界であるようにも感じてしまうけれど、

本当の運命の相手って、きっと違うんだね。

 

共に時間を過ごしながら愛を育む一方で、

遠慮なしに互いを研磨し合いながら、

形を整え合うことが出来るのが、運命の相手であるのかも知れません。

 

あなたは運命の相手であったと、

様々に私なりの証拠を集めては、

こうして、あなたへの手紙に書いてきましたが、

今日の私は、運命の相手という視点から、

あなたと過ごした日々についてを振り返っていました。

 

あなたと出会った日に感じたなんとも言えないあの気持ちとは裏腹に、

あの頃を思い返してみれば、

楽しい思い出ばかりなんかじゃなくて、

時々には、傷つけ合ってしまうような時間だってありました。

 

あの時の悔しかった気持ちや、

腹立たしいあなたの言葉も全部覚えてる。

 

なんて言ったら、

あなたは、どんな言葉を返してくれるのだろう。

 

いやいや

それなら俺だって、あの時、ムカついたわ!

 

もしも今、そちら側のあなたと話をすることが出来たとしたのなら、

こんな言葉が飛んできて、

あの頃みたいに喧嘩が始まってしまうのかも知れませんね。

それでも、

どんなに喧嘩をしても、5分後には仲直り。

それが私たちの関係でした。

 

例えば、川原にある石が、

流れる水のはたらきによって互いに擦れ合いながら、

少しずつ角が取れて、綺麗な丸い形に整えられていくように、

互いに学び合いながら、それぞれを成長させ合う相手を、

運命の相手と呼ぶのかも知れません。

 

学びの中で、時には傷付け合ってしまうこともあるけど、

きっとね、

潜在意識の中では、

決して切れることのない縁で結ばれていることを知っているから、

安心して、傷付け合うことが出来るとも言えるのかも知れませんね。

 

だって、

あんなに喧嘩と仲直りを繰り返した相手なんて、

この人生の中で、思えばあなただけだったもの。

 

あの頃のことを、こうして改めて振り返ってみれば、

なんだか、私たちの喧嘩には、

いつでもその後の仲直りが、

約束されていたようにも感じてしまうのです。

 

気が付けば、

私の人生の半分以上に、あなたの色が染まりました。

 

私を主として、この人生を見つめてみれば、

あなたは、この人生の中での重要人物であり、

あなたの存在は、なくてはならないものであったのだと思います。

 

あなたと出会うことがなければ、

今の私が見るこの景色は、此処に存在しなかったのでしょう。

 

もう少しだけ、違った視点からこの人生を眺めてみれば、

この景色を見るために私は生まれ、

あなたと出会ったと言い換えることも出来るのかも知れません。

そして、

今の私へと導くために、あなたは側にいてくれたと、

こんな解釈をすることも出来るのでしょう。

 

運命の相手と過ごした時間。

それは御伽話とは程遠く、

ただ甘さだけを纏っただけの時間ではなかったけれど、

あの頃の、一見してネガティブにも思えてしまう時間の中にさえ、

未来の私にとって必要となる価値観や考え方が包み隠されていたことを知りました。

 

それは、その手を離して先の未来を歩む私への、

あの頃のあなたからの愛とも呼べるものなのだと思いました。

 

あの頃のあなたが今の私に、この景色を見せてくれているように、

あの頃の私は、あなたに何が出来たでしょうか。

 

あなたのその人生の中に、

私は、どれだけの彩りを添えることが出来ていたのだろう。

 

あなたが見ていた景色が、

より鮮やかで、色とりどりの景色であったことを願いながら、

改めて、出会ってくれたことに、ありがとうを伝えたいと思いました。

 

私と出会ってくれて、

側にいてくれて、ありがとう。

 

 

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