冬の色を覚えていますか
冬の音を覚えていますか
冬の匂いを覚えていますか
その瞳に映った景色
その耳で感じた季節
冬の澄んだ空気の匂いを
覚えていますか
家族3人で過ごした幾番目かの冬
寒さに頬を赤く染めて
走り回るあの子の姿を
高く可愛らしい声で
私たちを呼ぶあの子の姿を
覚えていますか
腕の中へと
力強く飛び込んで来るあの子を
抱き止めながら
パパの負けだよって
大袈裟に尻もちをついて笑うあなたと
勝ち誇った顔であなたを見つめるあの子
楽しそうな2人の姿を
私は今でもよく覚えています
いつまでこんなふうに
腕の中に飛び込んで来てくれるだろうかと
笑った日がありましたね
上手く思い描くことが出来ないままに
それでも想像した先の未来
ずっと家族3人のままでいられるのだと
信じて疑わなかったあの頃の私は
あなたに何を伝えることが出来たでしょうか