あなたへ
あなた
おはよう
今日もいつも通りに、
あなたへの朝の挨拶から私の1日は始まりました。
おはよう
行ってきます
ただいま
おやすみ
いつから慣れてしまったのか、
その声が聞こえないままに、あなたへのいつもの挨拶をすることが、
私の中での日常へと変わって行きました。
これは、あの子が巣立ってからも、
変わらずに此処にある私の日常生活の一部です。
おはよう
行ってきます
いってらっしゃい
ただいま
おかえり
おやすみ
かつては日常であったはずのあの子との挨拶も、
今は期間限定での挨拶へと変わり行きましたが、
いつかは、この中の幾つかの挨拶は、
交わすこともなくなってしまうのかも知れません。
生涯を通して、
日常に溶け込むいつもの挨拶を交わし合うことが出来るのは、
生涯、側にいることを誓い合った相手だけなのかも知れませんね。
もしもあの夏の運命が違っていたのなら、
此処には当たり前に、
あなたとの挨拶を交わす時間が存在していたのでしょう。
あの子が巣立ち、家族の形は変わっても、
私たちの変わらぬ日常が此処に残り、
寂しさの中にも、
2人だけの形に、何処か懐かしさを感じていたのかも知れませんね。
見ることの出来なかった私たちの姿を思い描けば、
堪らなくあなたに逢いたくなってしまうけれど、
この命がある限り、
あの日、永遠を誓い合ったあなたへの挨拶を大切にして行きたいなって、
今日の私は、こんなことを考えていました。
今、此処にある日常に溶け込んだいつもの挨拶が、
そちら側とこちら側を繋ぐものであったら良いですね。
そんな願いを込めて。
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