拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

2017-01-01から1年間の記事一覧

小さな旅

あなたへ 慌ただしくも、楽しかった連休が終わり、今日からまた、いつもの生活に戻りました。 今年の私のお休みは、カレンダーより、ちょっと短い、4連休でした。 この連休には、あの子と、小さな旅に出掛けました。 いつか、3人で行こうね そう話していた公…

コーヒーの温度

あなたへ 今日のこちらは、初夏の陽気でした。夕方には、爽やかな風が吹き、気持ちの良い1日でした。 こんな季節になると、あなたに淹れるコーヒーの温度が気になります。 あなたがこちらにいた頃のこの季節には、ホットコーヒーとアイスコーヒー、どっちに…

言葉

あなたへ 近頃、色々なご縁から、たくさんの言葉に触れる機会が出来ました。 楽しい言葉優しい言葉切ない言葉元気が出る言葉救われる言葉 十人十色、それぞれの言葉があって、たくさんの言葉に触れる時間は、 とても楽しく、ためになる時間です。 いつも何気…

あなたの挨拶

あなたへ おやすみいい夢見てね この言葉は、あなたが毎晩、あの子にしていた、夜の挨拶でしたね。 どんなに疲れていても、どんなに、あの子を叱った後でも、楽しい日も、悲しい事があった日も、いつでも、あなたから、あの子への夜の挨拶は、決まって、 お…

初めての喧嘩

あなたへ 私達が、初めて喧嘩した日の事を覚えていますか? あれは、私達が出会って、どのくらいの頃だったでしょうか。 あなたと2人、何度目かの旅行へ出掛けた時の事でしたね。 あの頃はまだ、カーナビは珍しく、遠出をする時には、地図を片手に移動する事…

鯉のぼり

あなたへ こちらは、随分と暖かく、過ごしやすい季節になってきました。 今日は雲ひとつない青空。 透き通るような空を見上げ、毎年、庭に立てていた鯉のぼりを思い出しました。 あの子が生まれ、元気に育ちますようにと願いを込めて、毎年、立てた鯉のぼり…

コトバ -道しるべ-

私が道に迷わないようにと彼は道しるべを遺していった 彼には目標とする場所があったそれはとても漠然としていて抽象的で けれどもしそこを見つけ辿り着けたのならきっと幸せになれる場所だ 彼が見たかった景色はどんな景色だったのだろうか 彼を見送り漠然…

夕方の空に見つけたもの

あなたへ 近頃の私は、気が付くと、無意識にため息が、出てしまいます。 少し、疲れているのでしょうか。 思えば、今年に入って、目紛しい程に、色々な事がありました。 最近になって、ようやく、少し落ち着き、ここに来て、張り詰めていた糸が、切れてしま…

菜の花の咲く公園で

あなたへ 先日、あの子と一緒に、菜の花がたくさん咲いている公園に行きました。 あなたは、覚えていますか? いつかの春、小さかったあの子と私が見つけた公園。 菜の花がたくさん咲いていて、綺麗な場所を見つけたから、今度、3人で行こうよ そうあなたを…

コトバ -春-

春の穏やかな日差しは何だか心地よくてそのまま眠ってしまいたくなる ベランダに出て春の光を浴びながら目を閉じてみた 私を包み込む暖かな光はなんだか少し懐かしい気がした 目を閉じながら気が付いたんだ彼の隣とよく似ている と そうか 彼の隣は春みたい…

おはよう

あなたへ あなた。おはよう。 昨夜、あなたの夢を見ました。いえ、正確には、見た気がします。 夢の中、あなたが、側に寄り添っていてくれた気がしました。 私の気持ちが、あなたに届き、逢いに来てくれたのでしょうか。 あなたの側で、ただ、穏やかな気持ち…

2年と8ヶ月

あなたへ あの夏に、あなたを置いたまま、2年と8ヶ月が過ぎました。 あなたの側を離れたくない私の気持ちとは、裏腹に、時間は、残酷な程に、一定を守り、他の人と同じように、時間が過ぎました。 あなたに逢いたい 時間が経てば、経つ程に、あなたへの想い…

朝の日課

あなたへ いつの頃からか、なんとなく、毎朝、テレビでチェックするようになった星座占い。 あなたが側にいた頃は、あなたは、何位だったよ今日は、絶好調だねなんて、他愛もない朝の会話の一部でした。 時には、家族3人で、テレビを観ながら、喜んだり、ち…

眠れない日々に

あなたへ 生活のリズムが変わり、2週間が経とうとしています。 早起きになった分、夜は早くに眠れるようになると思っていましたが、近頃の私は、眠りへの入り口を、忘れてしまったようです。 寝付きが悪く、一度寝ると、目覚ましをいくつ掛けても、起きられ…

愛してる

あなたへ あなたは、覚えていますか?あの夜、あなたに伝えた、愛してる の言葉を。 あれは、私達が出会って、どのくらい経った頃だったでしょうか。 出会ったばかりの、初々しさから、互いに信頼関係を築きながら、あなたの隣に、慣れ始めた頃。 そう、出会…

コトバ -彼の世界-

彼の遺影と話す夢を見たのはこれで2度目だ彼は言った 遊びに来てみる? そんな彼の言葉に頷くと彼は私の手を取り遺影の中に入れてくれた 遺影のあちら側には彼が今いる場所があった ここでは自分の好きな事が出来るんだよ そう言って彼はその場所を案内して…

金曜日

あなたへ あの子の高校生活、初めての1週間が無事に終わりました。何だか、ちょっと、ホッとしてしまう金曜日です。 登校初日は、ちょっぴり緊張していたあの子だけれど、帰宅早速に、新しい友達との様子を聞かせてくれました。 早く学校に行きたいな なんて…

あなたへ こちらでは、桜の花が、満開に咲きました。 昨日は、1日中、雨でしたが、あの子と出掛けながら、 桜の花を眺め、あなたを想いました。 この時期、仕事が忙しかったあなたとは、一度も、ゆっくりと桜を見た事がありませんでしたね。 ちょっと、寂し…

入学式

あなたへ 今日は、あの子の入学式でした。 朝から、あいにくの雨。入学式へ向かう中、あの子は小学校の入学式の日を思い出したようです。あの日も、雨が降り、あなたと3人、傘を差して、小学校へ、出掛けましたね。 また雨か なんて、残念そうなあの子に、雨…

思いがけないサプライズ

あなたへ 先日、私の誕生日の翌日に、仕事から帰ると、冷蔵庫に、あの子からのお手紙が、貼ってありました。 1日遅れたけれど、お誕生日おめでとう 私の誕生日の日には、高校の説明会があり、1日中、高校の準備に追われたあの日。あの子は、すっかり、私の誕…

3月

あなたへ 今日で、3月が終わります。毎年、年明けからのこの時期は、何だか慌ただしく過ぎる気がしますが、今年は特に、慌ただしかったような気がします。 1月は、行ってしまう2月は、逃げてしまう3月は、去ってしまう そんな言葉を聞いた事がありますが、今…

誕生日の朝

あなたへ あれは、夢だったのでしょうか。 私の誕生日の早朝。まだ眠りの中にいた私は、あなたと会話をした気がしました。 まだ起きないの? こんなあなたの声に、 昨夜、遅かったから、もう少しだけ寝たいそう、返事をした気がします。 それは、とても心地…

季節外れの雪の日に

あなたへ 今日のこちらは、季節外れの雪が降りました。冬に逆戻りした寒さに、何だか、ちょっぴり、寂しくなりました。 あなたは、覚えていますか?一時期、ガソリン代の節約になるからと、バイクで通勤してくれていた事がありましたね。夏はいいけれど、冬…

あなたの家族

あなたへ 今日は、あなたのお母さん、それから、実家のお嫁さんと子供達が、あの子のお祝いに来てくれました。 私が最後にお嫁さんに会った時には、まだお腹の中にいた赤ちゃん。今年に入り、無事に産まれて来てくれましたよ。元気な男の子です。 小さな甥っ…

あなたへ あなたの誕生日 2月5日私の誕生日 3月22日 2+5=73+2+2=7 どっちも「7」だねきっと、2人は出会う運命だったんだね これは、先日、突然にあの子が言った言葉です。 あなたと出会ってからそれまで、何度も、2人の誕生日を迎えたけれど、あの子に言われ…

誕生日

あなたへ あなたを送り出し、三度目の私の誕生日を迎えました。無事に、ひとつ年を取り、また一歩、あなたの年齢に近づきました。 私の気持ちは、あなたを見送った頃と変わらずに、あの頃のまま、私の時間は止まってしまった気がしますが、いつの間にか、3歳…

サプライズ

あなたへ 先日のあの子の卒業式の朝。学校で、受け付けをすると、お手紙ですそう言って、あの子からの手紙を渡されました。 突然のあの子からの手紙に、ちょっと、驚きながらも、とても嬉く、手紙を読む前から、なんだか、感動してしまいました。 そうして、…

遺影

あなたへ ここに引っ越してきてから、もうすぐ、2か月が経とうとしています。 最近のあなたは、いつも、笑っていますね。 私の気持ちに、変化があって、そう見えるのか、あなたが、何か伝えようとしてくれているのかは、分かりませんが、以前は、時に、悲し…

夢が叶った日

あなたへ 今日、あの子の志望校合格発表がありました。 今は、インターネットでも、合否が分かる時代になったけれど、 あの子の希望で、高校まで、見に行きました。 緊張し過ぎて、掲示板を見る事が出来なかった私。遠目から、受験番号を確認し、小さな声で…

卒業

あなたへ 今日、あの子の卒業式を迎えました。 学ランに身を包み、中学生に上がったばかりのあの頃が、昨日のことのように思い出されます。 入学式、名前を呼ばれると、元気に返事をしたあの子。まだ幼さの残るあの子の声が、体育館の中、響き渡りました。こ…