あなたへ
今日のこちらでは、青い空が広がりましたが、
夕方から突然に、黒い雲に覆われ、強い雨が降りました。
叩きつけるような雨から、ほんの少しだけ、雨脚が弱くなると、
ワクワクとしながら、ベランダに出て、雨を落とす空を見上げました。
この後、絶対に虹が見えるはずだと、
そう思ったからでした。
この家の良いところは、
雨上がりには、虹が綺麗に見えるところです。
こんなふうに、虹が出るよりも先に、
虹を待つのは初めてでしたが、
雨が弱くなり、少しずつ、空が明るくなり始めると、
やがて、いつもの方向に、
あなたにも見せてあげたい色を見つけました。
ねぇあなた。
この世界は、とても美しいね。
綺麗な色が、空を彩った雨上がりの景色に、暫くの間、魅力されました。
虹が、ゆっくりと消え去ると共に、
先ほどの強い雨は嘘だったかのように、
空には、穏やかな青空が広がっていきました。
天気と人生は、なんだかとても、よく似ているね
こんな手紙を書いたのは、いつのことだったでしょうか。
目紛しく変わった天気を眺めた1日に、
人生を重ね合わせた日のことを思い出していました。
雨が降るから、虹が見えるように、
きっと、人生でも、辛いことを乗り越えた先には、
素敵な景色が、見えるんだね。