拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

最近の私

あなたへ

 

眠らない身体をください

 

誰にともなく、思わずこんな言葉を呟いてしまうのは、

ここ最近の私です。

 

最近の私は、間も無く巣立ちの日を迎えるあの子と共に、

とんでもなく忙しい時間を過ごしています。

 

何故なら、少しずつ、部屋を片付けるあの子の姿を見守りながら、

そうだ!私も掃除をしよう!などと、思い立ってしまったからなのです。

 

あの子の巣立ちの時。

それは、私にとっても、

新しい出発の時という捉え方も出来るのでしょう。

 

それなら私も、部屋を整えて、

新しい出発の時を迎えたいと、思いついたのでした。

 

他にやりたいこともあるけれど、今後の私には、

十分過ぎるほどにそれらと向き合う時間があるのでしょう。

一旦は、それら全てを後回しに、

あの子と共にやらなければならないことを最優先にしながら、

部屋を整えることに集中しています。

 

こうして家の中を徹底的に整えるのは、

思えば、此処へ越して来てから初めてのこと。

 

改めて、家中を眺めてみれば、

此処へ越して来る時の私にとっては必要だったはずのものが、

既に不要になっていたことを知り、

思っていたよりも、随分と大掛かりなことになってしまいました。

 

何故こんな時期に、こんなことを思い立ってしまったのか、

とも思いますが、

こんな時期だからこそ、と言い換えることも出来るのかも知れません。

 

あの子の巣立ちをきっかけにして、

今の自分にとって不要になったものが、

たくさんあるのだという新しい視点を見つけることが出来たのですから。

 

もし出来れば、幾晩かを眠らずに、

一気に作業を進めることが出来たらなどと、

考えてしまうほどに、忙しい日々を送らなくてはならなくなってしまいましたが、

これもまた、私なりの、

あの子の巣立ちへの向き合い方のひとつなのだと思います。

 

そんなことをしたら、あの子が巣立った後で、

尚更に部屋が広く、寂しくも感じるんじゃないの?

 

なんて、こんなあなたの声が聞こえてきそうですが、

そんな気持ちもまた、

あなたの分までしっかりと感じてみたいと思っています。

 

だって、きっとね、

此処から先の私は、少しずつ、少しずつ、

ひとりに慣れてしまうと思うのです。

 

ひとりに慣れてしまえば、二度と、

同じ気持ちを味わうことは出来ないのでしょう。

 

この人生の中で、一度しか感じることの出来ない気持ちは、

ひとりで暮らすには、広すぎると感じる部屋で、

十分に味わい尽くして、

またそこから先を歩んでみたいと思っています。