拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

長い間封印されていた記憶

あなたへ

 

え?なんか怖い!

怖いよね?

ねぇ、あなた!!

こわーい!!

 

思わずひとりで物凄く動揺してしまったのは、

ふと、自分の幼少期の頃のことを思い出したからでした。

 

人生ってきっと、決まっているんだろうな

 

漠然とこんなことを考えていたのは、まだ幼かった頃の私でした。

 

人生は決まっていると、こんな言い方をしてしまえば、

誤解を生んでしまうのかも知れません。

 

例えば、何かの物事に対するチャンスが目の前に現れた時、

それに挑戦するのか、しないのかは、人それぞれ。

そして、例えば将来の夢や、それまでにはなかった新たな道を見つけた時も、

その道を選ぶのか、または別な道を選択をするのかも、

人それぞれだと言えるのでしょう。

そんな意味では、未来は自分で創るものだと言えるのだと思います。

 

ですが例えば、あの日、あなたと私が出会ったことや、

そこから16年間を共にこの世界で過ごすことが、

生まれて来る前からの私たちの約束であったとしたのなら、

人生はある程度の物事が決まっていると、

こんな捉え方をすることも出来るのだと思います。

 

ふと思い出した幼少期の頃の私は、

子供故に経験も少なく、

今のように様々な視点までもは持ち合わせてはいませんでしたが、

それでも、あの頃の私が漠然と考えていたことは、

今の私の原点とも言えるのだと思いました。

 

何故、これまでの私は、

あの頃感じていた気持ちを封印していたのだろうかと記憶を辿ってみれば、

その考え方を強く否定されてしまったからでした。

 

あの頃の私は、何気なく、

当時の担任の先生へその考え方を話したつもりでしたが、

何故だか、もの凄く強く否定されてしまったのです。

 

幼心に傷付きながらも、

こんな考え方をしてはいけないのだと、当時の私は自分を強く責めました。

そうして、私は無意識に、その考え方を封印したのだと思います。

 

一見して、あの頃の担任の先生が、

悪者かのようにも見えてしまう出来事ですが、

実は人生は上手く出来ているのだとするのなら、

あの頃の私が持った考え方は、

一度封印しなければならなかった理由があったのだと、

こんな捉え方をすることも出来るのでしょう。

 

恐らく、あの頃の担任の先生は、

幼かった私を守ってくれるような存在だったのだろうと、

今の私には、こんなふうにも見えました。

 

あれからの私は、自然と、

現実的に目に見えるものだけを信じて歩むようになりました。

 

成長と共に、その考え方は強固なものとなり、

皆が言う当たり前だけが全てであり、見えないのもは存在しないのだと、

こんな視点から物事を見るようになっていきました。

 

そう。これはあなたを見送るまでの私でした。

 

こうして、長い間封印されていた記憶を思い出してみれば、

あなたをそちら側へ送り出し、

やがて私は、元々持っていた本来の私へと戻って行ったと、

こんな見方が出来るのだと思いました。

 

あの頃の記憶などなくとも、

あなたが見せてくれた不思議な出来事や、

偶然を装いながら聞こえて来た周りの声は、

自然と今の私の考え方へと導くようなものへと繋がっていき、

それら全ての出来事は、

本来の私が持っていたものを呼び覚ますかのような出来事でもあったと、

こんな見方も出来るのでしょう。

 

ほんの少しだけ見方を変えてみれば、

あなたを想いながらこうして生きることを、

私はあなたと出会うずっと前から知っていたと、

こんな解釈をすることも出来るのかも知れませんね。

 

あなたは時々、不思議な話を聞かせてくれる人でした。

そう。例えば、運命の話やパラレルワールドの話。

それから、宇宙の話や、神様の話。

 

目に見えるものだけを信じながらも、

あなたが話してくれた不思議な話に、

私はいつでも惹きつけられながら、その声に耳を傾けたのでした。

あの頃の私は、

あなたと私は真逆な考え方を持つのだと、そんなふうに考えていましたが、

こうして、封印された記憶を辿ってみれば、実はあなたと私は、

よく似た考え方を持った2人だったのだと思いました。

 

そして、思い返してみれば、

目には見えないものは信じないとしながらも、

非常に怖がりな一面があったのも、

目の前で起きた不思議な出来事に遭遇した時に、

見えない力は存在するのだと、何処かで感じることが出来ていたのも、

封印したはずのものが、ほんの少しだけ見え隠れしながら、

チグハグなものを纏ったままで、大人になったのだと、

こんな見方をすることも出来るのでしょう。

 

全ての掃除を終えた時に、

きっとまた新しい視点が見つかるのだろうと、

先日の私はこんな手紙を書きましたが、

まだ全ての掃除を終えていないにも関わらず、

押し入れを掃除していたら、懐かしいものが出てきたわよ的な感じで、

まさか、長い間、封印されていた記憶が蘇るだなんて、思ってもいませんでした。

 

突然に蘇ったあの頃の記憶は、私を酷く動揺させるものであり、

開けてはいけなかった箱を開けてしまったような気がして、

一度は、蓋を閉める努力をしてしまいましたが、

あの頃、自分を否定され、とても悲しかった筈なのに、

自らの手でもう一度、幼かった頃の自分を傷つけてしまうのも、

なんだか違うような気がしました。

 

封印を解いて、様々に記憶を蘇らせてみれば、

何かが繋がったようなそんな不思議な気持ちと共に、

やはりまだ、動揺したままの私ですが、

きっと少しずつ、

蘇った記憶もまた今の私の一部へと取り込まれて行くのでしょう。

 

あなたを見送ってから、8年間を節目として、

第二章の物語が始まったようにも感じると、

いつかの私はこんな手紙を書きましたが、

私の第二章の物語は、

これまでとは全く違った視点から物事が見えてくるのかも知れませんね。

 

そこで見つける景色も楽しみながら、

この第二章も大切に歩んで行きたいと思います。

 

 

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