拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

長く暮らす場所

あなたへ

 

いつもの公園。

入り口の直ぐ側にある広場を覚えていますか。

 

そこで小さなお子さんを連れた3人家族が楽しそうに遊んでいるのを見かけて、

そこにある笑顔と、かつての私たちの姿を重ね合わせていました。

 

小さなあの子と一緒に3人で遊んでいたあの頃の私たちも、

誰かの目にはきっと、こんなふうに映っていたんだろうなって。

 


いつもの公園は、ずっとずっと昔からある公園です。

思い返してみれば、

子供だった頃の私もまたあの公園で遊びながら育ちました。

思えばこの人生と、いつもの公園とは、

ある種の深い縁があるようにも感じています。

 

いつもの公園での私の歴史を辿ってみれば、

子供時代には、友人たちと遊んだ思い出が。

やがて大人になって、あなたと共に子育てに奮闘することになった私には、

家族3人で遊んだ思い出が。

あの子が成長し、一緒に公園へと出掛けることがなくなった私には、

のんびりとひとりで過ごした思い出が。

 

変わらずにある場所から見える景色は、様々に色を変えて、

自分がどれだけの人生を歩んで来たのかを見せてくれているようにも感じました。

 

私が見かけた家族もまた、いつかはお子さんの巣立ちの日がやって来て、

もしもいつかご夫婦だけで、この場所へ散歩に訪れたのなら、

私と同じように、懐かしく今を振り返るのかも知れません。

きっとその日の2人に見えるのは、世代交代された親子の姿なのでしょう。

 

そして、そう。きっと、偶然すれ違ったお孫さんを連れたおじいさんもまた、

かつてはこの場所で我が子と遊んだ記憶があるのかも知れません。

お孫さんの笑顔を見つめながら、

幼かった我が子の笑顔と、そっと重ね合わせていたのかも知れませんね。

 

あなたを見送ってから、この辺りも随分と景色が変わりましたが、

あの頃と変わらない場所で見つけたのは、そこに刻まれた自分の歴史。

 

幼い頃から、この地で暮らし続ける私は、

随分と狭い世界の中で成長して来たに過ぎないのだと、

先日の私は、そんなふうに自分の人生を振り返りましたが、

長く暮らす場所だからこそ、

見える景色というものもあるのかも知れませんね。

 

 

www.emiblog8.com

 

 

 

 

www.emiblog8.com

 

 

 

OFUSEで応援を送る