拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

堕ち切った先のあの子

あなたへ

 

先日、あの子が電話をくれました。

あの子の沈んだ声が聞こえて以来、数週間振りです。

 

それまではメッセージを通して時々やり取りをしながら、

あの子がまた前を向いて歩んでいることを確認していましたが、

やはり電話である方が、文字よりも更にリアルに、

あれからのあの子を知ることが出来るものなのだと思います。

 

あれからどう?もう悩んだりはしていない?

 

こんな私の声に返って来たあの子の言葉は、想像もしていなかった言葉でした。

 

堕ちて堕ちて、堕ち切る時というのは、

実は大きくジャンプするチャンスの目前にいたりもするのでしょう。

 

ひと回りもふた回りも成長するという表現がありますが、

あの日のあの子が聞かせてくれたのは、なんというか、

ひと回りふた回りどころか、

十回りくらいの成長を感じさせてくれるような言葉だったのです。

 

悩んだ時というのは、

実は自分本来が持つ力が呼び覚まされる時でもあるのかも知れません。

 

私たちには持ち合わせてはいない独自の発想が出来るあの子は、

いつでも私たちの想像を超える形での成長を見せ続けてくれましたが、

堕ち切った先のあの子は、その独自の視点から自身と向き合い続け、

あの子にしか導き出せない答えへと辿り着いたようでした。

 

あの沈んだ声からは、

全く想像も出来ないくらいのとんでもなく大きな成長に、

驚き過ぎて、思わず笑ってしまいましたが、

あの子はもう大丈夫。

 

今のあの子の瞳にはきっと、

ほんの少し前までは見つけることの出来なかった鮮やかな色が、

映っていることでしょう。

 

あの子よりもずっと年を重ねた私が成長し続けるように、

あの子もまた、

きっと幾つになっても成長し続けて行くのでしょう。

 

これからのあの子の成長も、とても楽しみですね。

 

 

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