拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

私が歩んだ道のり

あなたへ

 

ねぇ、あなた。

色々と凄いことに気が付いてしまいました。

 

これまでに歩んだ私の道のりを、改めて振り返ってみれば、

なんだか映画でも観ているような気持ちになってしまったのは、昨夜の私でした。

 

今の私が、自分なりに楽しみながら、ひとりで歩むことが出来ているのは、

新しい出会いが大きかったことに、ふと気が付いたのは、

昨夜のことでした。

 

私が新しい冒険へ出たのは、昨年のこと。

そこでは、様々な方との出会いがありました。

 

それまでの私の周りには、結婚をし、やがて子供が生まれてと、

私が歩んで来た人生の流れと同じような流れの中にいる方ばかりでしたが、

冒険へ出た先では、

私が歩んだ人生とは、全く別な生き方をして来た方との多くの出会いがありました。

 

出会った方の大半は一人暮らし。

私のこの人生の中で、一人暮らしの経験がなかったことから、

そして、私の友人や後に出会うことになる先輩方においても、

結婚を機に実家を出た人たちばかりであったことからも、

そこで聞ける話は、私にとって、とても新鮮なものばかりでした。

 

一人暮らしは楽だよ

全部、自分の好きなように出来るからね

私はもう、誰かと一緒に暮らすのは、無理だわ

今が自由で楽し過ぎるもの

 

これは、新しい出会いの中で聞こえた声でした。

 

一人暮らしというものが、どのようなものなのか、

具体的には知らなかった私にとって、それらの話は、

いつかあの子が巣立ってからの自分が歩む未来を思い描く、

大きな材料へと変わっていったのでした。

 

あの頃のあの子はまだ、具体的な未来は決まってはいなかったものの、

県外へ出たいという希望を持つようになったあの子の成長を見守りながら、

漠然と、私がひとりで暮らすことになる未来も、

そう遠くはないのだと考えていた頃でしたが、

こうして振り返ってみれば、

あれから少し先の未来で、あの子が惚れ込む企業に出会うことも、

そこへ向かってあの子が歩みを進めることも、実は決まっていて、

私は、それよりも少し前から、

既にひとりで生きる準備を初めていたのだと、こんなふうにも思えました。

 

だからこそ、あの頃の私は、

この夢は叶わないと、それまで大切に持っていた夢を一旦手放して、

冒険へと出掛ける必要があったのだと、

こう解釈することが出来るのだと思います。

 

あの頃の私の中での変化はきっと、今の私へと成長するために、

必要な材料を集めに行くためだったのでしょう。

 

えぇ?なんか凄いな

 

初めて見つけた視点に驚きながら、

ずっと過去へと記憶を辿って行けば、更に驚くことが見えてきました。

 

最終的には、私にとっての苦しい場所となり、

辞めることを決断した、あの職場もまた、私の人生において、

非常に重要な場所であったことが分かったのです。

 

今から約15年前。

あの子が間も無く幼稚園を卒園する頃まで記憶を戻して、

あの会社へ勤めることが決まるまでを振り返れば、

あの会社との出会いもまた、

ある種の運命的な出会いであったことに気が付きました。

 

あの会社へ勤めることが決まるまで、とても苦労したことは、

きっとあなたもよく覚えているでしょう。

 

働きに出ようと思い立ち、求人情報を見ては、

様々な企業に面接へと出掛けていたあの頃、何処へ面接に行っても、

まだ小さな子がいる人は、雇いたくないという旨の言葉に、

小さな子を持つ母親が仕事を始めるということが、

どんなに大変なことであるのかを初めて知りました。

ですが、長く勤めることとなったあの会社だけは違ったこと。

今でもよく覚えています。

 

うちはお子さんがいる方の方が多いですから大丈夫ですよ

授業参観なんかもあるでしょうし、

お子さんが体調を崩される時もあるでしょうけれど、

助け合いながら頑張りましょうね

 

こんな言葉と共に、

初めて、採用の結果をいただいたのでした。

 

そうして私は、何故だか、

あの子よりも年の大きな男の子のお母さんばかりに囲まれて、

仕事をすることになったのです。

 

あの子が成長する姿を見守りながら、

時には困ったことに遭遇することもあったけれど、

あの職場で働くことになったことをきっかけに、

常に、私が見ている先を知っている人たちに囲まれながら、

あの子を育てることが出来ました。

 

こうして振り返ってみれば、

あれから先の未来では、あなたは居なくなってしまうけれど、

私がひとりで困ることのないようにと、偶然を装いながらも、

実は既に環境が整えられた状態であったと、こんなふうにも見えました。

 

そう。それから、息子ロスの話もそうです。

 

あの話を聞かせてくれたのは、社内の空気が大きく変わり始めて、

それまで一緒に仕事をしたいた先輩方とのお別れがあった先で、

新しく入社して来た方でした。

 

先輩方とのお別れは、とても辛く、苦しい出来事ではありましたが、

全く別な視点から見てみれば、未来を思い描き準備を進めるために、

今度は別な視点からの話を聞かせてくれる人との出会いが準備されていたと、

こんなふうに解釈することも出来るのかも知れません。

 

そうして、あの職場で、

私が集めるべき必要な全ての材料が揃ったからこそ、

退職を促されるような出来事が起こり始めたと、

こんなふうに考えることも出来るのでしょう。

 

あなたのその手を離さなければならなかったことも、

その後の辛く苦しい時間も、

私は全く望んではいなかったし、

もしもあの夏の運命が違っていたらと、何度も思い描いてしまうけれど、

やはり私たちは初めから、16年間をこの世界で過ごした後、

離れてしまう運命を持って出会ったのでしょう。

 

それでも私は常に、ドラチックな展開の中、

ある種の大きな力に守られながら、

この人生を歩んで来たと言えるのだと思いました。

 

今の私が過ごすこの時間も、

いつかずっと先の未来から眺めてみれば、

驚くような展開の一部が隠れていたと気が付くことが出来るのかも知れませんね。

 

そうしていつかは、

私がずっと知りたかった答えに辿り着くことが出来るのかも知れません。

 

年を重ねるごとに、人生はとても不思議だと、

こんな視点から、自分が歩んだ道を見つめるようになりましたが、

長く生きてみて初めて見えてくるものがあるのが人生なのかも知れませんね。

 

これは、私が歩んだ人生を、

これまでとは全く別視点から眺めたストーリー。

 

きっと誰もが、

映画の主人公のような人生を歩んでいるものなのかも知れませんね。

 

 

 

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