あなたへ
高校を卒業し、こちらのこの事態から、
まだ、進学先へ入学出来ずにいるあの子は今、
とても長いお休みを過ごしています。
高校の自由登校と、入学延期。
思えば、あの子の長いお休みは、3ヶ月を迎えようとしています。
こんなにも長く休みが続いてしまえば、
生活リズムが崩れてしまうのも、当然なのかも知れません。
恐らくは、夜、布団に入ったあの子は、
音楽を楽しんだり、
動画を楽しんだりしながら、
なかなか眠りに就くことなく、その時間を過ごしているのでしょう。
寝る時間が遅くなるから、朝、起きられない。
そんなことは、分かりきっていながらも、
ついつい携帯電話へと手が伸びてしまう気持ちも、
分かるような気もします。
そんなわけで、当然ながら、朝、起きないあの子。
毎朝、仕事に出掛ける前には、あの子に声を掛けますが、
相変わらず、朝限定のアイツは健在です。
その眠りを妨げる者全てに牙を剥く、その名はジョニー。
いつの頃からか、毎朝現れるようになった彼ですが、
近頃のジョニーに、変化が現れました。
以前ほどの鋭さがなくなったのです。
朝だよと声を掛ける私の声に反応し、返事をするジョニーですが、
え?あぁ、そうなんすか?
あ゛ぁ!そうなんすね?
あーはいはい! と、
なんと言葉が柔らかくなったのです。
これは、ジョニーの成長ではありませんか。
この、敬語を使えるジョニーを、こっそりと、
お兄さんジョニーと呼ぶことにしました。
あの子は、この、ジョニーの成長を知りません。
ある日突然、あの子の中に現れたジョニーは、
時間を掛けて、
あの子の成長と共に、一緒に成長しているようです。
まだまだ、ジョニーとの戦いの日々は続きそうですが、
こうして、あの子の成長と共に、
進化を遂げるジョニーを見守るのも、悪くないのかも知れません。
近ごろの不穏な空気のこちらですが、
ジョニーの成長に、なんだか、心が和みました。
私は、ジョニーを産んだ覚えはありませんが、
ここ数年、ジョニーとほぼ毎日接しているうちに、
なんだか、ジョニーのお母さんにもなったような気がしてきました。
これから、どんな成長を見せてくれるのでしょうか。
あの子の成長と共に、
ジョニーの成長も楽しみに、見守っていきたいと思います。