拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

夢の中のあなた

あなたへ

 

先日のあの子は、あなたの夢を見たと話してくれました。

 

お父さんの夢を見たって言うよりも、

夢の中で、お父さんを見たって言った方が良いのかな

 

こんな言葉から始まった、あの子の夢の中の話。

 

その夢は、

あの子が友人との遊びから帰って来たところから始まったそうです。

 

時間帯は、夜の遅い時間。

場所は、あの頃の私たちが暮らしていた家だったそうです。

 

あなたが作ってくれた自転車置き場に、バイクを置くと、

静かに、家の中に入ったそう。

そこで、あの子が見たのは、

あの頃と変わらない姿で眠っている、あなただったそうです。

 

今回のあの子が見た夢は、とても短く、

あなたと話をすることはなかったそうですが、

あの頃と何も変わらないあなたの姿がそこにあったことに、

あの子は、とても嬉しそうにしていました。

 

どんなに短い夢であっても、

あなたの夢を見たら、互いに報告し合う私たち。

そこで、あなたとどんな時間を過ごしたのか、

話合う時間は、とても楽しい時間です。

 

あの子の夢の中のあなたも、

私の夢の中のあなたも、

あなたはいつでも、あの頃のまま、

仕草も口調も、何も変わらなくて、

あの子の夢の中のあなたの姿は、私にも、見えるような気がします。

きっと、あの子にも、私の夢の中のあなたの姿は、

ちゃんと見えているのだと思います。

 

夢の中のあなたについてを話す時間は、

今の私たちにとって、

家族3人で過ごす時間とも言えるのかも知れません。

 

同じ夢を見なくとも、私たちは、

お互いの夢の中のあなたを感じることができるような、

そんな気がするのです。

 

ねぇ、あなた。

あの子、大きくなったでしょ?って言いたいところだけど、

あの子の夢の中で眠っていたあなたは、

あの子の姿を見ることはなかったでしょうか。

 

それとも、実は、こっそりと、片目を開けて、

成長したあの子の姿を見ていたのでしょうか。

 

あの夏よりも、ずっと背が高くなって、

あの夏よりも、あなたによく似て来たあの子。

 

もしも片目を開けて、その姿を見ていたのなら、

あなたは、こっそりと、

どんなふうに微笑んだのでしょうか。

 

 

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