拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

卒業式

あなたへ

 

あの子が専門学生として歩んできた、

この3年間を振り返っていました。

 

早く学校に行きたい!

 

こんなあの子の声が聞こえてきたのは、

専門学校への登校が始まった頃のことでした。

 

お母さんのお陰で、今の俺がいるんだよ

 

こんな言葉と共に、最高の笑顔を見せてくれた日は、

あの子の背中を押してあげることが出来て、本当に良かったなって、

こんな気持ちで、あの子の言葉を胸いっぱいに抱いたのでした。

 

何のために勉強をするのかが分からないと、

勉強に対して、あんなに後ろ向きだったあの子が、

懸命に勉強へと向き合うようになり、

深夜まで、或いは、明け方まで、

課題に向き合うあの子へと変わっていったのも、

専門学生になってからのことでした。

 

時には、見守るこちらが心配になってしまうほどに、

勉強へと打ち込んだあの子。

 

寝不足で、げっそりとしたあの子の姿を見た日には、

とても心配になりましたが、

それでも、しっかり前を見据えるあの子の姿に、

大きな成長を見つけたのでした。

 

あの子の課題を手伝うことになったのは、

2年生も間も無く終わりを迎える頃のこと。

 

半徹夜の日々が続く中、

眠さのあまりに、ハイテンションであの子と一緒に笑い合った時間は、

掛け替えのない大切な思い出です。

 

一旦、卒業式を迎え、

研究生としての一歩を踏み出したのは、昨年のあの子。

 

いつの頃からか、一度は県外へ出てみたいと、

こんなふうに夢見るようになったあの子と共に過ごすことが出来るのは、

きっと、この1年が最後なのだと、

あの頃の私は、密かに腹を括ったのでした。

 

これから過ごすあの子との1年間は、

きっと私への最後の贈り物のような時間なのだろうなって。

 

あの子が無事に卒業の日を迎えました。

 

これで、あの子の学校生活の全てが終わりを迎えました。

こちら側の事情から、保護者の参列は出来ませんでしたが、

あの子を会場まで送り届けた時間も、

卒業式での時間を楽しそうに話してくれたあの子の笑顔を見つめた時間も、

掛け替えのない大切な宝物。

 

楽しかった!

 

こんな声から始まったあの子の専門学校での生活は、

その終わりの瞬間までを、

楽しかったの声で埋め尽くされました。

 

今、私の胸の中に集まったのは、

専門学生としてのあの子が歩んだ日々の、

全ての笑顔です。

 

人生最後の学生生活でもある専門学校での日々は、

きっと、あの子の中で、

いつまでも鮮やかな記憶として残っていくのでしょう。

 

それらの大切な記憶はきっと、これからのあの子の支えとなり、

時に、背中を押してくれる記憶ともなってくれるのだと思います。

 

あの子の晴れ姿を、

側で見守ることが出来るのも、これで最後です。

 

卒業おめでとう。

 

こんな私の声を、笑顔で受け取ってくれたあの子の最高の笑顔を、

私は生涯、忘れることはないでしょう。

 

あの子の晴れ姿、

あなたも何処かで見ていてくれたでしょうか。

 

あの子は立派に、専門学校を卒業しましたよ。

 

大きくなりましたね。

本当に、立派に成長してくれましたね。

 

 

 

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