拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

速達便

あなたへ


空を見上げて、小さく呟いた私の言葉たちは、
きっと風に乗って、
あなたのところまで、運ばれて行くんだろうな


私がこんなふうに考えるようになったのは、
いつの頃からだっただろう。


春の柔らかな風に、
夏の爽やかな風に、
秋の涼やかな風に、
冬の冷たい風に、
いつの頃からか、私は、
そこに感じる風にあなたへの想いを乗せては、
空を見上げるようになっていきました。


もしも、小さく呟いた私の声が、
風に乗ってあなたのところまで運ばれていくのなら、
強風の日は、速達便かも知れないな


なんてふと、そんなことを考えて、
思わず笑ってしまったのは、いつのことだっただろう。


あれは、いつかの強風の日。
あの日は、強い風が吹いた日を、
密かに、速達便の日と名付けた日でもありました。


強い風の日は、あまり好まなかった私ですが、
少しだけ視点を変えてみれば、そこにも新しい楽しみ方が、
隠れて待っていてくれのでした。


この世界の楽しみ方は、
無限にあるのかも知れませんね。


今日のこちらでは、とても強く冷たい風が吹きました。


風に吹かれながら乗せた今日の私の想いは、
あなたの元へ届いたでしょうか。


今日は、本当に強い風が吹いたから、
この想いは、光の速さで、
あなたの元へと届いたのかも知れませんね。


今日の私が速達便に乗せた想いを、
あなたはどんな顔をして受け取ってくれたのだろう。


もう、此処にあなたの姿を見ることは出来ないけれど、
きっとあなたは、笑ってくれているんだろうな。