拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

初めて見た景色

あなたへ

 

もう、この夢を手放さない。

 

あなたへの手紙を書きながら、

一度手放してしまった夢を、もう一度、

しっかりと抱き締めた日のことを思い出していました。

 

あれからの私は、小さな一歩を積み重ねながら、

ゆっくりと歩みを進めてきました。

 

私の歩み方は相変わらず、笑ってしまうほどに不器用だったけれど、

私は漸く、此処まで歩みを進めることが出来たのだと感じる瞬間が訪れたのは、

ある日突然のことでした。

 

恐らく、此処が私にとって、

大きな一歩を踏み出すタイミングなのだと。

 

これまでの私がずっと、超えられないと思っていた壁を乗り越えて、

その先へ飛び込む決心を固める時間がそれほど必要なかったのは、

確実に、少しずつ、歩めていた証拠であったのかも知れません。

 

ねぇ、あなた。

私ね、大きな一歩を踏み出したよ。

 

泣いてばかりだった私も、

立ち止まってしまった私も、

不器用にしか歩めなかった私も、

ちゃんと頑張ってきたよ。

 

空を見上げて、あなたに笑顔を向けたはずなのに、

なんだか、勝手に涙が溢れ出して、

泣いているのか、笑っているのか、

よく分からないままに、ただ空を見上げた私の姿は、

あなたからは、どんなふうに見えたのだろう。

 

勇気を出して、未知の世界へ飛び込んだ時の気持ちって、

こんな気持ちがするんだね。

 

ねぇ、あなた。凄いよ。

今の私には、いつもと変わらない日常の景色までもが、

なんだか違って見えて、

これまでには吐いたことのない種類のため息が、勝手に漏れ出てしまうの。

 

今、私の目の前に広がるのは、初めて見た景色。

 

此処から先の私は、

どんな素敵なものを見つけるのだろう。

 

此処から先へ歩んだら、

どんな景色が、私を待っていてくれるのだろう。

 

私の新しい道は、まだ始まったばかり。

まだまだ不安定だけれど、

今は、胸いっぱいに感じる喜びだけを、ただ抱きしめて。

 

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