拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

7年目の成長

あなたへ


あの子が武道を始めてから、7年目になりました。


高校生に上がり、一般のグループに加わって、練習をするようになったあの子から、
大人の先輩たちと一緒に、
団体の部で大会に出ることが決まったと話してくれたのは、
あの子が高校2年生に上がり、間も無くの頃でした。


凄いね
大会、楽しみだね


大会への出場が決まると、いつでもそんなふうに声を掛ける私に、
決まって笑顔を見せてくれたあの子ですが、
今回のあの子は、いつもと違いました。


楽しみじゃないよ
同年代の人と組むのとは違うんだよ
先輩方と俺とじゃ、レベルが違い過ぎる
足を引っ張ったらどうしよう
結果が悪かったら、全部、俺の責任
大会に出るのが、すごく怖い


武道を始めてから、あの子のあんな顔は、初めて見ました。


これまでずっと、大会への出場は、個人の部での出場だったあの子にとって、
初めての団体での出場。


同年代ではなく、
大先輩方に混ざっての出場は、
あの子にとって、かなりのプレッシャーだったようです。


あれからのあの子は、
なかなか練習の成果が上がらずに、苦しんでいるように見えました。


お稽古から、帰ったあの子の顔は、
毎回シケ顔で、
今日、先輩から怒鳴られたよ
なんて、ため息混じりに、出来事を話してくれたこともありました。


そうして、迎えた大会の日。
見事、賞をいただくことが出来ました。


今回、大会を見に行くことが出来なかった私に、
大会の動画を見せてくれました。


あの子が武道に向き合っている姿は、久しぶりに見ましたが、
とても、上達していて、驚きました。


あの子と一緒に、
何度も、動画を確認しながら、


本番になると、動きが固くなるって、先輩から、言われたんだ
俺、ここでちょっとだけ、動きが遅かったよね


反省を口にしながらも、あの子の横顔は、
なんだか、自信に満ち溢れているように見えました。


どんなに苦しくても、
武道を辞めたいとは、言わなくなったあの子。


楽しい
苦しい
楽しい
苦しい
楽しい


ひとつのことを続けると言うことは、
そんな繰り返しなんだと思います。


ひとつずつ、苦しさを乗り越えた次の楽しいの場所では、
必ず、成長した自分がそこに待っていてくれることを、
あの子は、いつの間にか、学んだのかも知れませんね。

 


武道を始めたばかりのあの子の姿を覚えていますか。


あの頃は、
お稽古を頑張っているあの子の姿を、よく一緒に見に行きましたね。


動きがぎこちなくて、頼りないながらも、
先輩方から、一生懸命に学んでいた、小学5年生のあの子。


あの頃のあの子は、
6年と少しの時間を掛けて、立派に成長し、
全国大会への出場が決まりましたよ。