あなたへ
読んでみたい小説を突然に見つけて、
早速、本を買いに出掛けたあの日から、1週間が経ちました。
読書と言えば、小説一択だったあの頃の私なら、
とっくにこの本を読み終えて、
読書欲に灯った火が消える前に、次の本を買いに出掛けて、
今頃は新しい本を読んでいる頃だったのに、
今の私は、あの頃みたいに上手く時間を取れないままに、
まだ、この本を読み終えることが出来ずにいます。
一冊の小説を読むのに、こんなに時間が掛かるだなんてと、
もどかしささえも感じてしまうのに、
本を開けば私はいつの間にか、夢の中へと入ってしまうようです。
読書をするのは眠る前。
私の読書時間はあの頃から変わらずに、夜の時間帯と決まっていますが、
ここ最近の私は、本を読んでいた筈が、
いつの間にか、新しい朝を迎えてしまうのです。
目が覚めて、枕元に閉じられた本を見つければ、続きが気になるままに、
前夜、辿った文字たちを反芻してみるのです。
先日買ったこの本は、言葉の選び方がとても綺麗。
私には持ち合わせてはいないその独自の表現力に魅了されながら、
素敵な文字たちを追う夜は、私にとっての新たな癒しの時間ともなりました。
あの頃の私が知らなかったペースには、
もどかしさを感じてもしまいますが、
今回は、ゆっくり、じっくりと、
読むことが大切な本との出会いだったのかも知れないと、
今朝の私はふと、こんな考えへと辿り着きました。
きっと此処から先も、
こんなペースでこの本を読み進めて行くのだろうけれど、
初めてのこのペースも、楽しんでみようかなと思っています。
一冊の本を読み終えた後って、
いつでも少しだけ、この世界が違って見えるような、
私の世界が少しだけ変わっているような、そんな気持ちがします。
この本を読み終えた後の私には、どんな世界が待っていてくれるのだろう。
その日を迎える日が来ることも、とても楽しみです。
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