拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

私を褒める日

あなたへ

 

大丈夫。

どんなにあの夏からの記憶を辿ろうとも、

私はもう、泣いたりはしない。

目を閉じて、大きく深呼吸をして、

胸の奥がギュッと掴まれる感触をちゃんと感じたら、

しっかりと目を開けて、

何度でも必ず此処に戻って見せるから。

 

これは、今年の3月の私が、あなたへの手紙として綴った文字です。

 

改めて、あの日の私が綴った文字を辿ってみれば、

私は、これまでとは全く違った視点から自分を見つめることが出来ました。

私はいつの間に、こんなに強くなったのだろうって。

 

あなたが側に居てくれなければ大丈夫ではない私だった筈なのに、

本当は、全然自信がない私だった筈なのに、

いつの間にか、心からの言葉を綴れるようになっていたことに気が付いて、

よく頑張ったねって、ここまで成長出来た自分を褒めてみれば、

なんだか自信が湧いてきて。

いつもの景色さえもが、

より一層、鮮やかな色へと変化してこの瞳に映りました。

 

振り返ってみれば、あなたへの手紙を綴りながら、

大丈夫ですよ。

だって、私はあなたの妻ですからって、

私が初めてこんな精一杯に強がった一文を添えたのは、

あの子がまだ中学生の頃のことでした。

 

本当は、全然大丈夫なんかじゃないのに、

私がしっかりしなきゃって、

精一杯に自分を奮い立たせて文字を綴りながらも、

私は本当に大丈夫なのだろうかと、

全く自信がないままに、あなたへの手紙を送信したのでした。

 

あれからも時々綴った精一杯の強がりの文字は、

私が強くあるための文字でもあったのかも知れません。

 

ゆっくり、ゆっくりと自分だけのペースで歩みながら、

いつの日か、強くなりたいと望むようになって、

いつの間にか、自分で認められる私になったことに気が付いて。

 

陰に隠れて泣いていた私も、

歯を食いしばって立ち上がった私も、

後ろを向いて座り込んでいた私も、

どんな時間にいた私も、

ちゃんと頑張って歩んで来たのだと振り返りながら、

今日はただただ、私を褒める日にしました。

本当によく頑張ったねって。

 

ねぇ、あなた。

私ね、ちゃんと自分で認められる自分になったよ。

 

もしも今、あなたが側にいてくれるのなら、

今日だけは、あの頃みたいに髪を撫でて、目一杯褒めて欲しかったのに、

目を閉じてみれば、私の前に浮かんだのは、

俺は、心配なんてしていなかったよ

初めから大丈夫だと思っていたからさって、こんな言葉をくれるあなたの姿。

 

は?なんで?なんでなのよ!

今日だけは褒めて欲しかったのに!って、

目の前に浮かぶあなたに思わず悪態を吐きながらも、

なんだか変なスイッチが入ってしまった私の中に湧き上がったのは、

次こそは、あなたが褒めてくれる私を報告するからね!って、こんな感情でした。

 

あなたって、何処にいても私のスイッチを押すのが本当に上手。

 

目を開けて、あなたの姿をじっと見つめてみれば、

何故だか今日のあなたは、誇らし気に笑っているような気がするから、

なんだか、可笑しくなってきて。

もう・・・

頑張るしかないじゃん!って、ひとり呟いてみたけれど、

でも、そう。

あの夏から随分と強くなった私なら、きっと大丈夫。

 

 

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