拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

2016-01-01から1年間の記事一覧

小さな花火大会

あなたへ もう、夏も終わりですが、今日は、あの子と一緒に、花火をしました。 どの花火が一番好きか 来年も一緒に花火をしようね なんて話しながら、あの子と、楽しい時間を過ごしました。 あなたは、覚えていますか? 私達が出会って、2回目の夏の日の事を…

あなたまでの1cm

あなたへ あの子は二学期が始まり、毎日、楽しく学校に通っていますよ。 先日、友達とみんなで、身長を測ったみたいです。 この夏休み、どれだけ身長が伸びただろうかと、 楽しみに測ったみたいですが、 全然、伸びてなかったよ なんて、残念な報告でした。 …

前髪 2

あなたへ あれから、また前髪が伸びてしまいました。 あなたみたいに、上手に切れるように、この2年、何度も挑戦中。 2年前よりは、上手になった気もするけれど、やっぱり、あなたには、敵わない。 あなたの切り方を真似しているつもりなんだけどな・・・ …

コトバ -試練-

これは何かの罰だろうか 彼のいない毎日を 時々そんなふうに考える 罰でないとすれば 何なのだろうか ある人が言った それは試練だよ 彼がいない時間を生きるという試練なんだよ と ポッカリと穴が空いた私の心 その言葉が穴から滑り落ちないよう 両手で受け…

寄り添ってくれる言葉

あなたへ あなたは病床時に言いましたね。私の手を握り、「俺から、離れないで」と。 あの時のあなたは、快方に向かっていて、一般病棟に移った時でした。私は、あの時、あなたがいなくなるだなんて、思ってもいなかったけれど、 あなたは、違ったのでしょう…

夏の終わり

あなたへ もうすぐ、夏が終わります。気が付けば、日が短くなってきました。 夏の終わりは、寂しいね いつかのあなたにこんなことを言ったら、そう? なんて、そっけない返事でしたっけ。 夏が嫌いだったあなたは、毎年、この時期は、ホッとしていたのでしょ…

おばあちゃんのこと

あなたへ 私のおばあちゃんのことを覚えていますか?あなたは、二度程、会った事があったでしょうか。 おばあちゃんは、ずっと元気に暮らしていたけれど、先日、突然に、入院をしたとの連絡が入りました。 入院して、数日だけれど、年も年だから、ボケがね・…

約束

あなたへ 週末にスーパーへ買い物に行くと、あなたが恋しくなります。 あの子が、時々、買い物に付き合ってくれて、そんな時は楽しいけれど、夫婦で仲良く買い物に来ている人達を見かけると、寂しくなるのです。 私たちの結婚が結婚が決まった頃、あなたは、…

夏休みの思い出

あなたへ あの子の夏休みが終わります。長いように感じる夏休みも、毎年、過ぎてしまうと、あっという間ですね。 この夏休みのあの子は、随分と、勉強を頑張りました。 苦手な教科も、何とか、投げ出さずに向き合ったようですよ。 ゆっくりとですが、一歩づ…

コトバ -2年-

彼がいなくなって2年 もう2年も経ったんだね早いね あの子と私以外 誰もがそう口にする もう2年 あの子と私以外の誰もが 彼がいなくなってからの 2年という期間をそう表現した 例えば彼と出会って2年経った頃あの子が産まれて2年経った頃 もう2年も経…

叱ってくれた時のこと

あなたへ 「私は、何も出来ない」 すべての事が、上手くいかなくて、投げやりに、後ろ向きな事を言った時、あなたに叱られましたね。 自分の事を何も分かっていない。 自分を馬鹿にするな と。 そんなふうに叱られたのは、もう何年も前の事ですが、先日、ふ…

プロポーズ

あなたへ 初めて出会った時の事、覚えていますか? あなたは、初めて会ったのに、たったの数時間で、 「俺と付き合って」って、なんて軽い人なんだろうって、思ったけれど、私は、あなたと出会った瞬間に、感じていました。 この人だやっと会えた と。 それ…

夢のこと

あなたへ あなたが、帰って来てくれた夢を見ました。 あの頃みたいに、普通に玄関から、いつも通りの顔をして、 当たり前のように帰って来たあなた。 その夢は、とてもリアルで、夢から覚めても、 しばらくの間、あなたが側にいる気がしました。 久しぶりに…

インチキ仙人

あなたへ あなたがこちらにいた頃は、時々、仕事の悩みを聞いてもらいましたね。 あなたの答えは、いつでも、 余計な事を全て削ぎ落とした、シンプルで、的確なものでした。 あなたの、そのスマートなアドバイスには、何度も助けてもらいましたね。 最近、ち…

コトバ  -特別な写真-

彼の遺影は不思議だ 悲しい気持ちで彼を見ると彼も悲しそうに 楽しい気持ちで彼を見ると彼も笑った 笑顔を返してくれる時の彼の遺影は今にも話し出しそうだ いつだったか彼の遺影と話をする夢を見た いつもここから見てるからね の彼の言葉に とても安心する…

何度も思い出す会話のこと

あなたへ あなたを送り出してから、何度も思い出す、あなたとの会話があります。 いつだったか、あなたも私も年老いて、どちらが先に逝って、どちらが看取るか、 そんな話をしたことを、覚えていますか? あなたはなんでも出来て、1人でも生きて行けるけど、…

お盆のこと 2

あなたへ お盆は、ゆっくり、くつろいでくれましたか? お客さんが来てくれたり、あなたの地元の花火大会に出掛けたりと、なんだか、バタバタと過ぎてしまったので、あなたが、ゆっくり出来ていたか、それだけが気掛かりです。 もしも、お盆だけでも、家族3…

お盆のこと

あなたへ 明日から、お盆に入ります。 こちら側での言い伝えでは、お盆の時期は、そちら側へ逝った人達が、こちらに帰ってくる事になっています。 あなたは、何時頃に、こちらに着く予定ですか? あなたの好きだった クマの形のグミと、コーラ、 それから、…

コトバ  -二人三脚-

後ろを向いて前を向いてまた後ろを向く 彼がいた夏がどんどん遠くなる 置いて行きたくないよ 私はここだよ 早くおいでよ 後ろを向いて 彼に手を伸ばしたけれど 彼は困ったようにこちらを見つめて 手を伸ばしてはくれなかった 微かに声が聞こえる 横を見たら …

あなたを想う日 -2016-

あなたへ あれから、2年が経ちました。今日は、あなたのことをたくさん思い出す日にしました。 あなたと出会った時のこと。 あなたと、たくさん長電話したこと。 あなたとデートしたこと。写真が嫌いなあなただったれけど、一緒にプリクラを撮ってくれまし…

お昼寝の体勢のこと

あなたへ 先日、あの子が、お昼寝しているのを見て、気が付いた事があります。 あなたの寝相と全く一緒でした。 胸辺りで手を組み、片方の足を、もう片方の足に乗せる。あなたは、よく、そんな体勢で寝ていました。 始めは、そんな体勢ではないのに、無意識…

惚れ直した時のこと

あなたへ あなたを送り出し、少しずつ、家の中の整理を始めました。 私服を着る機会がほとんどなかったあなた。 その代わりに仕事着がたくさんありました。 箪笥の引き出しを開けても、開けても、あなたの仕事着。 もう、十分に、 十分過ぎるくらいに頑張っ…

コトバ  -泣かないと決めた日-

彼がいない 悪い夢なら早く覚めてほしいと 何度も思ったけれど 彼がいない あぁ 現実なんだ 夜は眠れなくて 彼の事を考えては 1人で泣き彼にお線香をあげては 1人で泣き車の運転をしながら 1人で泣いた あの子は 彼の告別式以来泣いていない 何も食べられな…

星空の下で

あなたへ 先日、あなたの実家に、お泊まりをしてきました。 あなたの実家へは、あなたと3人で何度も泊まったけれど、 何故だかあの頃の私は、ゆっくりと星を眺めてみようだなんて、 一度も考えたことはありませんでした。 昔ね、星空があまりにも綺麗で、 庭…

小さな甥っ子のこと

あなたへ あなたが、そちら側へ逝って間もなくに、 あなたの弟も、お父さんになりましたよ。 元気な男の子が産まれました。あと3ヶ月で2歳ですって。子供の成長って、早いですね。 おじちゃんどこ?って甥っ子に聞くと、あなたの写真を指差します。あなたの…

お義母さんから、お母さんに変わった日

あなたへ 今日は、あなたの大切な場所に来ました。 あなたが、生まれ育った大切な場所。 あなたを送り出して間もなくの頃、こちらで行う花火大会に誘ってもらいました。 毎年、あなたとあの子、あなたの家族とみんなで見た花火大会。 あの夏の花火大会も、あ…

コトバ -夏の音- 2016

夏の音が聴こえる そうか 梅雨が明けたんだ 大好きな夏が来た 彼とは 夏に出会った 暑い夏の夜に出会って 恋をした それからの夏は より一層 特別な季節に変わった 夏に出会って 夏にいなくなった あれから 2回目の夏 やっぱり夏は好きだけれど 苦しくて 何…

釣りのこと

あなたへ 最近のあの子は、釣りを楽しむようになりました。 釣り上手な友達から、色々と教わっているようですよ。 あなたがこちらにいた頃、何度か釣りに連れて行ってくれた事がありましたね。 あの頃のあの子はまだ幼く、 すぐに飽きて、水遊びになってしま…

叶えたかった夢

あなたへ 私には、ひとつだけ、 密かに叶えたかった夢がありました。 あなたと私、2人で年を重ねて、 おじいちゃんとおばあちゃんになったら、 派手なペアルックを着て、お散歩をすることが 私の密かな夢でした。 その頃のあなたは、きっと丸くなっていて、 …

引退の日

あなたへ 先日、あの子の部活の大会がありました。 もう引退した子も多いけれど、 あの子は、その大会を最後に、引退すると決めたようでした。 あの子が、2年間頑張ってきた長距離走。 走るのは早い方ではないけれど、走るのが好きだからと、ずっと頑張って…