彼の遺影は不思議だ
悲しい気持ちで彼を見ると
彼も悲しそうに
楽しい気持ちで彼を見ると
彼も笑った
笑顔を返してくれる時の彼の遺影は
今にも話し出しそうだ
いつだったか
彼の遺影と話をする夢を見た
いつもここから見てるからね の
彼の言葉に とても安心する夢だった
彼はそこにいるのだろうか
彼と話ができるかも知れないと
彼の遺影を長い時間見つめてみた
彼は
笑いを堪えているような
今にも笑い出しそうな
そんな顔でこちらを見つめる
もしも本当に彼と話ができるとしたら
私は何を話すだろうか
最近の出来事
彼がいなくなって本当は寂しい事
話したい事は山ほどあるけれど
それらを上手く伝える事は
きっと出来なくて
たった一言
愛してる
ただ それだけを伝えるんだと思う