拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

今のあの子からあなたへの愛の形

あなたへ

 

私たちの結婚式で配ったプロフィールを見つけたのは、先日のことでした。

そこに詰まっているのは、あの子が知らない、私たち2人だけの時間。

あの頃の私たちの足跡を、興味津々で眺めていたあの子は、

やがて、あなたの言葉を見つけました。

 

友達みたいな親子になりたい

 

これは、子供が生まれたら、

どんな関係になりたいですかという質問に対してのあなたの回答でした。

 

あなたの回答を、じっと見つめながら、指で辿ったあの子は、

胸の内側にこみ上げるものを、無理矢理に押さえつけるかのように、

やがて、小さな声で、ポツリと呟きました。

 

友達になる前に死にやがって と。

 

思うままに、ストレートな言葉を口にしながら、

胸の内側にある想いを、形にして零してしまうほどに、あの子は幼くはなく、

かと言って、

ストレートな言葉を呟きながら、

懐かしむような感情を持って、あの夏までの時間を想えるほどに、

あなたは、遠くへは行ってはいない。

 

少しだけ強がりに、そして、乱暴を装ったあの言葉は、

少し前でも、少し後でもない、

今のあの子の形に整えられた、

あなたへの精一杯の愛を包み込んだ想いであるのだと感じました。

 

言葉の裏側に、懸命に隠そうとしていたあの子の真の想いに、

涙が溢れてしまいそうだったけれど、

僅かに息を整えて、あの子の想いを、大切に胸へと仕舞いました。

 

今日は、

あの夏から随分と成長したあの子から、

あなたへの愛を送ります。

 

いつの間にか、あなたの身長を追い越して、

いつの間にか、あなたの服が似合うようになって、

あんなに小さかったあの子は、いつの間にか・・・。

 

ねぇ、あなた。

今のあの子となら、きっと・・・さ。