拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

車でお出掛けをする夢

あなたへ あなたと一緒に、車に乗ってお出掛けをする夢を見ました。 これまでにも、 あなたと一緒に、車でお出掛けをする夢は、たくさん見てきましたが、 私の運転でお出掛けをしたのは、今回が初めてでしたね。 相変わらず、運転は、得意とは言えないけれど…

コトバ -夏の音-2021

今年もまた夏が来たよ 空を見上げて そっと目を閉じてみる 夏の音に耳を澄ませながら 彼と出会ってからの夏を 順番に思い出すのが 夏の始まりの私の恒例となった この記憶の中を歩くように 幾つもの夏の彼に逢いに行く 初めて出会った夏 2番目の夏 3番目の夏…

紫色の空

あなたへ 梅雨が明けてからのこちらでは、連日、晴れた空が広がっています。 毎日、毎日、空がとても綺麗です。 あなたにも見せたい空を見つけたのは、 先日の会社からの帰り道のことでした。 空高くまで立ち上るような真っ白な入道雲に、 夕日の色が染まっ…

リーゼント

あなたへ 平成生まれのあの子が、 何故だか、昭和時代に興味を持つようになったのは、 あなたを見送り、どれくらいが経った頃からだったでしょうか。 音楽や漫画、そして乗り物。 あの頃の時代には、あの子の心惹かれるものがたくさんあるようで、 気が付け…

最後の水遊び

あなたへ こちらでは、梅雨明けと同時に、 夏らしく、とても暑い毎日が続いています。 夏になると、私が恋しくなるのは、水遊びです。 あなたは気付いていましたか。 私ね、実はこっそりと、水遊びが大好きなの。 力強い太陽の光に照らされて、 始まったばか…

あの夏と同じ出来事

あなたへ 昨夜のあの子は、パソコンを使って、課題に向き合っていました。 お母さん、これ、どうすれば良いか分かる? 突然のあの子のこんな声に、パソコンを覗いてみると、 私には、あまり縁のない画面が見えました。 こんなファイルを作りたいんだけど、お…

梅雨明けに蘇るセミ事件

あなたへ 毎日、空を見上げては、 梅雨明けを、とても楽しみに待っていました。 もうすぐ、梅雨明けするみたいだよ 職場で、こんな声が聞こえたのは、つい先日のこと。 その言葉の通り、こちらでは、 昨日、梅雨明けが発表されました。 今年初めてのセミの鳴…

強くなりたい

あなたへ 私ね、頑張ってるよ こんな私の小さな声は、 風に乗って、あなたのところまで届いたでしょうか。 強くなど、なりたくない なんでも出来るようになど、絶対にならない そうすれば、 あなたは絶対に何処にも行かない 決して口には出せないままに、 本…

あの子の寝言

あなたへ 朝だよ、起きて? ・・・あの車、見た? これは、先日のあの子との朝の会話です。 寝不足の朝には、こんなふうにチグハグな返事をする最近のあの子。 こんな時は、いつもよりも起こすのが大変ですが、 返ってくる言葉が面白いので、最近の私は、 な…

今のあなたの好きなところ

あなたへ 今日はね、あなたに伝えたいことがあります。 なんて、かしこまったら、 急に、どうしたの?って、あなたは、驚くのでしょうか。 言葉にして伝えることの大切さを学んだのは、あなたを見送ってからの私でした。 当たり前が何処にもないことを知り、…

セミの鳴き声 -2021-

あなたへ 昨日の私は、町内活動のため、野外での作業に参加しました。 2時間ほどの作業でしたが、 日差しが強く、気温も高い中、マスクをしての作業でもあったせいか、 今日の私は、朝からスッキリせずに、 疲れたなって、 こんな言葉ばかりが漏れ出てしまい…

龍によく似た雲を見上げながら

あなたへ こちらでは、連日、雨や曇りの日が続きましたが、 昨日は、久しぶりに、朝からとても綺麗な青空が見えました。 青い空が嬉しくて、昨日の私は、ベランダに出ては、空を見上げて、 見る度に変わる空の形を楽しみました。 昨日の私が最後にベランダに…

そちら側との境界線

あなたへ 遺影はきっと、とても特別な写真。 あなたは、なんだかとても、不思議だね あなたを見送ってからの私は、 何度、こんなふうに語りかけてきたでしょうか。 先日、またひとつ、 遺影は、きっと特別な写真なのだと、そう確信が持てる出来事がありまし…

ずっと、胸の中にしまっていたこと

あなたへ 今日は、ずっと、胸の奥にしまっていたことを話してもいいですか。 それは、あの夏のあなたの容態が急変し、 ICUに入ってから、息を引き取るまでのことです。 意識のないあなたの側に寄り添いながら、 ふと、私の中に、あの不思議な感覚を見つけた…

七夕の願いごと -2021-

あなたへ そちら側のあなたが いつでも幸せで満たされていますように あの子の人生が このまま素晴らしいものでありますように 思い描いた景色を見ることが出来ますように 来世でも その次の来世でも あなたと結ばれますように 何度生まれ変わっても あの子…

新しい楽しみ

あなたへ 今のあの子の髪は、これまでの中で、一番、長くなりました。 そして、 パーマを楽しんでみたり、 カラーを楽しんでみたりしたあの子の髪は、 これまでの中で一番、傷んでいるようです。 傷んでいるお陰で、 絡んで、解けなくなってしまった髪を解い…

さようならという挨拶

あなたへ さようならって挨拶あるじゃん? この言葉ってさ、学校以外では、使わないよね なんで学校では、さようならって挨拶するんだろうね これは、先日のあの子の言葉です。 私にとっては、特に疑問を持ったことのなかった挨拶でしたが、 会社では、 お先…

もし出来れば、もう少しだけ、この世界に生きたかったあなたへ

あなたへ もしも、もう少しだけ、 この世界にいることが出来たとしたのなら、 あなたは何を見たかった? どんなことをしてみたかった? ねぇ、あの頃のあなたは、感じていたかな。 日常の中にある、とても美しいものの存在を。 何も変わらない日々の中に、 …

あなたの名前を書く時間

あなたへ あなたの名前を最後に書いたのは、いつだっただろう。 ふと、こんなことを考えた私は、 手帳を開いて、あなたの名前を書いてみました。 私のこの人生の中で、こんなふうに、 あなたの名前を書く機会は、どれほどあったでしょうか。 例えば、母子手…

足のマッサージ

あなたへ 朝、目が覚めると、何故だか足に、 弱い筋肉痛のような怠さを感じました。 恐らくは、肌寒い中、何も掛けずに眠っていたせいで、 体に力が入っていたのでしょう。 目を覚ますと同時に、肌寒さを覚えて、 毛布に包まったのは、今朝の私です。 足の怠…