あなたへ
今朝、目が覚めると、
空一面、真っ暗な雲に覆われていました。
そうして、間も無くに、鳴り響く雷と、
一気に降り出した雨。
それは、あなたを見送った日の、私の心に見えました。
雨足は、どんどん強くなり、
地面を叩きつける雨は、
あの日の、私の涙のようでした。
天気を気にしながら、あの子を起こし、
お弁当を作り終える頃になると、
雨は上がり、雲の隙間から、光が見えました。
雨が上がって、良かったね
こんな言葉と共にあの子を送り出し、
私が会社へ出勤する頃には、太陽が顔を出していました。
早朝の雷も、雨も、嘘のようだったけれど、
濡れたままの地面には、
確かに、その痕跡が残っていました。
お昼休みに見上げた空は、泣き出しそうな低く厚い雲が、
強い風に煽られながら、急いで形を変えていきました。
会社を出る頃になると、
風は止み、穏やかに戻った空には、
夕焼けと、ゆっくりと形を変える雲が見えました。
信号で止まり、空を見上げたら、
私の好きな形の雲を見つけました。
家に着き、車から降りると、
雲ひとつない空に、
白い月が浮かんでいました。
それは、とても綺麗な月でした。
ねぇ、あなた
人生と、天気は、
なんだか、とてもよく似ていますね。