拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

コトバ -盆の入り- 2026

おかえりなさい。

今年も、楽しみに待っていたよ。

 

コーヒー飲む?

今、淹れるから、ちょっと待っててね。

 

あのね、あなた。

話したいことが、山ほどあるよ。

 

あのね。

あの子はね、相変わらずに、しっかり頑張っているよ。

 

ねぇ、あの頃の私たちには、全く想像もつかなかったね。

あんなに甘えん坊だったあの子が、

こんなに立派に、自分の道を歩む子に育ってくれるだなんてさ。

これからのあの子の成長も、本当に楽しみだね。

 

あのね、それからね。

いつかのあなたがプレゼントしてくれたあのスカート。

私ね、ちゃんと履けるようになったんだよ。

 

ほら、あれよ。

私にはサイズがちょっとアレで、履けないままだったあのスカート。

私さ、今の姿で、あなたの隣を歩いてみたかったな。

 

ねぇ、あなたは?

この1年は、どんな1年間だった?

 

そっち側は、最近どう?

面白いことはあった?

 

ねぇ、あなたは、宇宙がどうなっているのか、知っているんでしょう?

無の場所ってさ、どうなってるの?

聞かせてよ。

 

そうだ!何か食べたいものはある?

 

ねぇ、あなた。

それからね、えっとね、えっと・・・。

 

今日は、あなたとたくさんの話がしたい。

 

お菓子もたくさん準備したし、アイスクリームもある。

コーヒーも淹れたしさ。

 

今夜は、夜通しでお喋りをしてさ。

 

それでもきっと、時間が足りなくて、

私はきっとまた、眠らなくても良い身体を、

本気で望んでしまうのだろうけれど、

明け方を迎える頃になって、微睡みながらあなたの声を聞くことも、

きっと、とても幸せなのだと思う。

 

 

お盆には、

故人となった人が、帰って来るのだという。

 

それなら、今だけで良い。

 

故人となってしまった彼の手に、頬に、

触れることが出来たら良いのにと思う。

彼と話が出来れば良いのにと思う。

 

お盆が終わったら、ちゃんと笑顔で、

その手を離すと、今の私なら、きっと約束出来る筈だ。

 

自信を持って、約束出来る私へと成長することが出来たのに、

彼は今年もまた、この瞳には映ることがないままに。

 

それでも私は、何度でも、

こうして彼に話しかけ続けながらも、

耳を澄まし、時々、部屋中を見回してみるんだ。

 

いつか、一度くらい、奇跡が起こるかも知れないことを信じて。

 

だって、時はお盆なのだから。

 

 

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