拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

あの子がくれた今度の約束

あなたへ

 

私の誕生日から、1か月と半月程が経ちました。

 

アルバイトを始めるようになってからのあの子は、

私が誕生日を迎えると、プレゼントにと、

食事をご馳走してくれるようになりました。

 

今年の私の誕生日を迎えた日にも、

今度、またあのお店で食事をしようねと、言ってくてれていたのでした。

 

あの子が誘ってくれるのは、あなたとの思い出のある、あのお店。

毎年、そこへ連れ出してくれるあの子はきっと、

あのお店が、私の大のお気に入りであることに、

気が付いているのでしょう。

 

初めて、あの子と一緒にあのお店へ行った日に、

話して聞かせた、あなたと2人で過ごした思い出話を、

あの子は覚えてくれているのかも知れませんね。

 

あのお店へ行けば、蘇るのは、

私たちが結婚する前の、甘く優しい、あの頃の時間です。

 

今年は、コロナウイルスの影響から、外出を控えている私たち。

 

私の誕生日の頃には、

こんなにも大変な事態が待っていることなど、

予想もしていなかった私たちは、

5月の連休の頃にはきっと、食事に行けるねと、

そんな話をしながら、5月を迎えることを、楽しみにしていたのでした。

 

そうして迎えた5月。

 

此処に、あの頃に思い描いていた未来は、ありませんでした。

テレビで観るのは、深刻なニュースばかり。

家から出ることが、怖いと思ってしまうような、

恐ろしい未来が待っていたのでした。

 

あの子がポツリと言いました。

いつまで経っても、食事に行けないねって。

 

それならさ、今年は、食事じゃなくて、何か買ってあげるよ

欲しいものはないの?

 

そんなふうに、私を気遣ってくれました。

 

お母さんは、そんなふうに思ってくれるだけで嬉しいよ

何もいらないよ

 

そんな話をしましたが、

あの子は、どうしても何かしてあげたいのだと言ってくれました。

 

それなら、やはり、いつかあのお店で食事をしよう。

 

今の私たちには、

まだ見えない、先の未来の話をしました。

 

あのお店で何が食べたい?

俺の車で連れて行ってあげるよ

 

今はまだ、たくさんの我慢をしなければならない時期ですが、

あの子がくれた今度の約束は、私を、幸せな気持ちにしてくれました。

 

今のこの辛い時だからこそ、

ただ、幸せな未来を想像してみる。

 

今年のあの子は、そんな素敵な時間も、プレゼントしてくれましたよ。

 

いつになるかは分からないけれど、

いつか、あのお店で、

あの子と一緒に食事をする日が、とても楽しみです。

 

 

 

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