秋の色を覚えていますか
秋の音を覚えていますか
秋の風を覚えていますか
その瞳に映った景色
その耳で感じた季節
その肌で感じた温度を
覚えていますか
秋の季節に私が作ったお菓子の味を
あなたの隣で笑っていたあの子の笑顔を
あなたは覚えていますか
毎年の秋の季節には
さつまいもや栗が
たくさん届く我が家だったけれど
蒸したさつまいもも茹でた栗も
我が家ではあまり人気がなくて
それならお菓子にしてみようと
こんなふうに思い立ったのは
私たちが家族となってから
何番目の秋のことだっただろう
スイートポテト
パウンドケーキ
クッキー
パイ
あんなにも減らなかった筈の秋の味覚たちを
お菓子にすれば
あなたとあの子は喜んで食べてくれました
秋はキッチンに立つ時間が格段に増える時期
いつの頃からか私にとっての秋とは
お菓子作りの季節となりましたが
時にはあの子と一緒にキッチンに立ちながら
気が付けば少しずつ子育ても楽になって
自分の好きなことを
あの子と一緒に楽しめるようにもなったのだと
静かにあの子の成長を感じた瞬間がありました
ただいま
あ!お菓子がある!食べていいの?
テーブルにお菓子を見つければ
あなたはいつでも嬉しそうな顔を見せてくれたこと
私は今でもよく覚えています
もうすぐご飯だから少しだけね
キッチンから2人に声を掛けながら
お菓子を食べる2人の姿を見つめるのが
秋の私の楽しみのひとつでもありました
今日のお菓子は僕も一緒に作ったんだよ
本当?凄いね
美味しいね
美味しいね
あの子と一緒に笑い合いながら
嬉しそうにお菓子を頬張るあなたを見つめながら
ただただ幸せを感じていたあの頃の私は
あなたに何を伝えることが出来たでしょうか
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