あなたへ
今日は、ハロウィンです。
昨年から、ハロウィンのイベントへと出掛けるようになったあの子は、
今年もまた、嬉しそうに、友達と出掛けて行きました。
あれは、昨年のことでした。
初めて出掛けるハロウィンのイベントのお供にと、
邪魔にならない程度のドクロの飾り物を準備した私。
サプライズのつもりで、
この子も連れて行って
そう言って、あの子に見せてみれば、
いらないかな
なんて、
あっさりと断られてしまったのでした。
ずっと、
サプライズには、なんでも喜んでくれていたあの子でしたが、
突然に、
私が見立てたものに、喜んではくれなくなった姿に、
これもまた、成長なのだろうと、
少しの寂しさの中に、喜びの気持ちを見つけながら、
開封することなく、
ドクロの飾り物を、押入れへと仕舞ったのでした。
去年のドクロ、どこにあるの?
あの子から、そんなふうに言われたのは、
昨夜のことでした。
今年のコスプレに、この子、似合うと思うよ
今年は使わせてもらうよ
そう言って、衣装の飾り付けの一部へと、
仲間に入れてくれたのでした。
昨年は、いらないと断られたドクロの飾り物の存在を、
あの子が覚えていてくれたことに、
私は、笑みを隠すことが出来ませんでした。
なかなかいいね
そう言って、ドクロの飾り物を眺めるあの子に相槌を打ちながら、
昨年は、男の子であるあの子に、
メイクを教えるという、
とても楽しかったひとときを思い出しました。
今年のあの子はね、
とても男前なコスプレで、出掛けて行きましたよ。
さて、いつもの仲良しメンバーで、出掛けたあの子ですが、
来年には、就職する子もいます。
このメンバーで、ハロウィンのイベントに出掛けるのは、
きっと、今年で最後だろうな
あの子は、少しだけ、寂しそうに呟きました。
あの子が生きる今は、
丁度、子供から、大人へと変わって行く時期。
こんなことを出来るのは、今年が最後かも知れないな
高校3年生になってからのあの子は、
時々、そんな言葉を口にしながら、
精一杯、今を楽しんでいます。
今年のハロウィンのイベントでは、
どんな素敵な思い出が出来るでしょうか。
帰宅したあの子が、どんな話を聞かせてくれるのか、
とても楽しみですね。