あなたへ
録画、撮っておいたよ
この人、好きでしょう?
私の中へと不意に蘇ったのは、こんなあなたの声でした。
そう。この声は、
あの頃、時々聞こえていたあなたの声でした。
例えば、ずっとその存在は知っていたけれど、
それまで特に興味がなかったにも関わらず、
テレビドラマの中での役柄が、
とても素敵だったからという理由で急激に惹かれてしまう。
そんなふうにして、私の中での一推しの俳優さんは、
その時々で、様々に変わり行きましたが、
何故だかあなたは、いつでも、
その時の私の中での一推しの俳優さんを知っていて、
例えば、バラエティ番組なんかに出演しているのを見つければ、
必ず録画を撮っておいてくれたのでした。
録画、撮っておいたよ
この人、好きでしょう?って。
私は一度も、その時の一推しとなった俳優さんの話など、
したことはなかった筈なのに、
どうしてあなたは知っているのだろうって、あの頃の私は、
いつも不思議に思っていました。
慌ただしい日常の中、小さな疑問は口に出す間も無く、
毎度、私の胸の奥へと追いやられ続けて、
思えば一度も、それについての話をしたことはなかったけれど、
こうして改めて記憶が蘇れば、あなたに聞いてみたくなりました。
ねぇ、あなたは、どうして知っているの?って。
テレビが好きだったあなたは、いつでもテレビに夢中だった筈なのに、
私が熱中して、テレビ画面を見つめている間のあなただけは、
違っていたのかな。
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