拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

そちら側のあなたの言葉を感じながら

あなたへ

 

急に甘いものが食べたくなった私の目に留まったのは、

あなたのお誕生日プレゼントとしてお供えしたお菓子でした。

 

ねぇ、あなた

このチョコレートのお菓子、食べても良い?

 

何気なくあなたへ声を掛ければ、

駄目って言っても食べるんでしょう?って、

不意にこんな言葉が私の中へと流れ込んで来て。

思わず笑ってしまったのは、

それがとてもあなたらしい言葉の返し方だったからでした。

 

あなたの言葉がなんだかとても可笑し過ぎて、

流れ込んで来た言葉を何度も反芻しては笑ってしまいましたが、

ふと思いました。

 

私はいつから、こうして不意に流れ込んで来る言葉を、

きっとあなたからの言葉であると信じて受け取れるようになったのだろうって。

 

思い返してみれば、

こんなふうに意図せぬ言葉が、

自分の中へと流れ込んで来るような感覚を初めて知ったのは、

あなたの生がまだこの世界にあった頃のことでした。

 

あれはきっと、

そちら側へと旅立ったあなたのお父さんからのメッセージでした。

 

そう。あの頃の私は、

なんとも不思議な感覚の中で捉えたあの言葉にもまた、

お告げと名を付けることにしたのでした。

 

やがて、あの日がやって来て。

私たちは、穏やかな顔で眠るあなたを見送りました。

 

それから数ヶ月が経ち、心無い人からの言葉に傷付いて、

泣きながらあなたの遺影を見つめた日がありましたが、

あの日、突然に私の中へと流れ込んで来たのは、

落ち込んだ時や、悲しいことがあった時に、

いつもあなたが言ってくれていた言葉でした。

 

あれは、あなたを見送ってから初めて、

あなたの言葉が私の中へと流れ込んで来た日でした。

 

あなたのお父さんのそれとはまた違った感覚を覚えながらも、

あの言葉を、あなたからの言葉であると感覚的に捉えることが出来たのは、

きっとあなたのお父さんがくれたのであろう、

あの、お告げのお陰だったのかも知れません。

 

思えばあれから時間を掛けて、私の感覚は変わり行き、

気が付けば、私の手帳には、

お告げ、と名を付けたあなたからのメッセージであろう言葉が、

随分と書き込まれるようになりました。

 

現実的に目に見えるものだけが全てなのだと、

こんな感覚を持った大人へと成長したはずの私は、

こうして振り返ってみれば、随分と変わりました。

 

あなたを見送ってからの私は、

幾つくらいのあなたからの想いであろう言葉を大切に集めて来ただろう。

そして、目の前に繰り広げられる不思議な物事に染まるあなたの色を、

幾つくらい、集めて来ただろう。

 

肉体を持ち、この世界を歩む私にとってのこれらの物事は、

不確かで、不明瞭な物事に過ぎないようにも思えるけれど、

ほんの少しだけ視点を変えてみれば、

元々は、私もそちら側の存在だった、

という考え方をすることも出来るのかも知れません。

 

あなたの側からしてみたら、今の私が感じる全ては、

とても当たり前で、当然の感覚であるのかも知れませんね。

 

そちら側と、こちら側。

その違いを考えてみれば、やはりなんだか混乱してしまうけれど、

ふと、新たな視点を見つけてみれば、

今の私が感じるものにも、

納得の行くような答えをひとつ見つけられたような気もして。

 

本当の答えを知らないままに、

こちら側でのこの人生を歩む私はきっとこれからも、

突然に流れ込んで来る言葉や、

目の前に起こる出来過ぎた物事の展開に、

あなたってとても不思議って、こんなふうに考えるのだろうけれど、

時々には、それを当たり前と捉えてみれば、

また新たな視点が見つかるのかも知れません。

 

人生とはとても不思議なものだと、

こんな視点から自分の人生を見つめるようになったのも、

思えばあなたを見送ってからのことでした。

 

あなたを見送ってからの私の感覚は、様々に変わり行きましたが、

こうしてまたひとつ、新たな視点を見つけてみれば、いつの日か、

全く別な視点から、

この人生を生きる意味を見つけられる日がやって来るのかも知れませんね。

 

 

 

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