拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

私好みの夜

あなたへ

 

夏によく似た季節の中で、

梅雨らしい空を見つめたのは、先月下旬のことでしたが、

あれからのこちら側では、再び晴れた日が続き、

連日に渡り、暑さを感じるようになりました。

 

夏の音もなければ、夏の匂いがすることもなく、

梅雨明けの宣言もまだ聞こえては来ませんが、

照り付ける太陽の光は、既に夏のそれであり、

今年は、誰にも気付かれないように、

静かに夏の始まりへと移行したのではないかと、

ここ最近の私は、密かにこんなふうにも感じていました。

 

連日の高い温度は、私の中では、

既に当たり前のものへと成りつつありましたが、

昨日のこちらでは、いつもよりも気温が低く、

夜には、涼し過ぎると感じる風が吹きました。

 

昨夜は、あなたへの、

今年初めてのわたし肌温度のコーヒーを淹れて。

窓から入る、涼し過ぎる夜の風を楽しみました。

 

夏が好き。

 

照りつける太陽の光は、

私をどこまでもワクワクとした気持ちにさせてくれて。

 

夏が此処にあるだけで、私の世界には鮮やかな色が染まり、

何気ないいつもの景色でさえもが、

まるで魔法のように特別なものへと変わっていく。

そんなふうに日常に変化をもたらす不思議な力が、

夏には確かにあると思うのです。

 

夏という季節。

それは、私を魅了して止まない力を持つものでありますが、

昨夜の涼し過ぎる風は、私に別な一面があることを教えました。

 

夜という時間帯においては、

私はどうやら、涼し過ぎるくらいの方が好みのようなのです。

 

昨夜は、涼し過ぎる風を楽しむと、やがて窓を閉めて眠りに就きましたが、

肌寒さから、思わず薄手の毛布に包まりました。

 

久し振りに触れた毛布は心地良く、

私は、こんな夜が好きだと感じながら、眠りに就くことが出来ました。

 

どうやら私は、昼と夜の好みが違うようです。

 

力強く照り付ける太陽の光を浴びながら1日を歩んだのなら、

夜には、毛布に包まれながら眠りたい。

 

これが私の理想であると、

昨夜は、こんな新たな発見をしました。

 

さて、今夜もこちらでは、涼し過ぎる風が吹いています。

今夜もまた私は、好みの夜の中で、眠ることが出来るのでしょう。

 

天気予報を見てみれば、明日からまた暑くなるようです。

私好みの夜とは暫しお別れのようですが、

再び訪れる夏によく似た季節を楽しみながら、

明日からを歩んで行こうと思います。