拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

私が生まれる日の話

あなたへ

 

今日の私の中へと不意に蘇ったのは、

一度だけ、父が話して聞かせてくれた、

私が生まれる日の出来事でした。

 

双子です

 

突然にこんな説明を受けたのは、

私が生まれる日のことだったと言います。

 

あの日の父は、先生から、

これまではひとりの赤ちゃんの姿しか確認出来なかったけれど、

どうやら、影に隠れて実はもうひとり、赤ちゃんがいるようだと、

こんな説明を受けたのだそうです。

 

父はもう、それはそれは大慌てで、

もうひとり分のおむつや肌着を準備して、病院へと戻ったそうですが、

結局、生まれたのは私だけ。

母のお腹の中には初めから、私ひとりしかいなかったのです。

 

さて、それならばどうして双子だと思われてしまったのかと言えば、

恐らくは、母のお腹の中で、私が頭を動かしたために、

それがブレてエコー画像に映り、

お腹の中に2人の赤ちゃんがいるように見えてしまっただけだった、

という説明を受けたようでした。

 

私が生まれる頃の時代です。

エコー画像も、今に比べれば、

分かり難いものであったのかも知れません。

ですが、突然にふたつの頭を確認した先生も、

そして父も母も、きっと皆が驚いたことでしょう。

 

これは、私が生まれる日の笑ってしまうエピソードとして、

父が聞かせてくれた話でした。

 

長らく、私の記憶の奥底へと仕舞われていた記憶ですが、

ひとつ、記憶が蘇れば、そこに関連付けるかのように蘇ったのは、

いつかの私が密かに思い描いたことでした。

 

あれは、いつの頃の私だっただろう。

 

いつかの私は、

自分によく似た双子みたいな友達がいたら良いなと、

思い描いていた頃がありました。

 

趣味や価値観がよく似ていて、何故だか初めからとても気が合って。

これまでには出会ったこともない程に、

自分によく似た人との出会いがあったとしたのなら、

きっとそこには、これまでには感じたことのない楽しさがあるんだろうなって。

 

そんなことを考えて、

出会ったことのないその人との楽しい時間を思い描いてみたりもしたのでした。

 

不意に蘇った記憶と記憶が結びつけば、

なんだか楽しい気持ちになって、私の中へと自然と思い浮かんだのは、

不思議なお話です。

 

そう。例えば、

私が生まれる日に、エコー画像に映ったのは、

実は、私の双子みたいな存在の誰かなの。

 

何処かで同じ日に生まれて、

育った環境も、見てきた景色も何もかもが違う筈なのに、

私とよく似たその人は、もうひとりの私みたいな人なのよ。

 

そう。もしかしたら、何処かで、その人もまた今頃、

KTSプログラムに向き合っているのかも知れない。

なんて考えていたら、思わず笑ってしまいましたが、

人生には、時に、

説明も付かないような不思議な出来事が起こるものです。

 

ある日突然、そんな人との出会いが訪れたって、

きっと不思議ではないのよ。

 

なんてね。

 

でも、いつの日か、

そんな不思議な人との出会いがやって来るかも知れないなって、

そんなことも楽しみに、

この人生を歩んで行くのも面白いのかも知れませんね。

 

 

 

 

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