拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

2023-01-01から1年間の記事一覧

数字の王様

あなたへ ねぇ、あなた。 あれはいつのことだっただろう。 まだ結婚する前の私たちの時間を思い出していました。 何気なく、2人でデジタル時計を見つめながら、 数字に関する話をしたあの日のことを、あなたは覚えていますか。 あの日の私は、 4と9はあまり…

秋の景色の中で

あなたへ こちらでは、朝晩には肌寒さを感じるようになり、 窓を開ければ、金木犀の良い香りが部屋へと届く季節になりました。 久し振りに、近所の公園へと出掛けてみると、 景色の色が変わり、足元には、 たくさんのどんぐりの実を見つけました。 秋の景色…

あなたがこの世界で過ごした最後の日

あなたへ ねぇ、あなた。 どうしてなの? あなたに問い掛け続けたこの声を、 あなたは何処かで聞いていたのでしょうか。 ねぇ、あなた。 どうしてなの?って、 何度もあなたに問い掛けたこの声を、 もしも、何処かで聞いてくれていたとしたのなら、 あなたは…

私の未来予言

あなたへ 先日の私が偶然目にしたのは、 未来予言なるオカルト的な動画でした。 それは、その日を迎えることが、 恐ろしく感じてしまうような内容のものでしたが、 ついつい見入ってしまうのは、 怖がりでありながらも、一度、怖い話が目に入れば、 最後まで…

全部が楽しかった週末

あなたへ 全部、楽しかったな 今日の私は、こんな気持ちで、 この週末の時間を振り返っていました。 あの子の枕元にハロウィンのお菓子を準備したのは、土曜日の夜のことでした。 慌ただしく出掛けて行ったあの子を見送ると、早速に、 あの子の枕元へ、 少し…

あの子との僅かなひととき

あなたへ ここ数日間の私は、 ワクワクとした気持ちいっぱいで過ごしていました。 実はね、今日、あの子が帰って来てくれました。 あなたに手を合わせたあの子のただいまの声は、 あなたのところまで届いたでしょうか。 今週末、用事が出来たからそっちに帰…

お菓子売り場で聞こえた声

あなたへ 先日、スーパーマーケットへ買い物に出掛けた時のことでした。 お菓子売り場の前を通ると、私の耳に届いたのは、 あの子と同じ名前を呼ぶ声でした。 名前を呼ばれたのは、まだ小さな男の子。 高く可愛らしい声で、 名前を呼ぶお父さんの声に返事を…

笑って生きる

あなたへ 笑った方が良いよ。 楽しくなくても、笑っていた方がいい。 笑っていれば、 やがて楽しいことが向こうからやって来て、 本当に笑えるようになるから。 これは、先日の私が偶然耳にした言葉でした。 見つけたばかりの言葉たちが、妙に鮮やかな色を放…

あの子がくれた貴重な時間

あなたへ ねぇ、あなた。 子育てとは、本当に奥が深いものですね。 あの子が生まれた日から歩んだ道のりを、 視点を変えて見つめてみれば、その分だけ、学びや新たな視点を、 どんどん与えてくれるような気がするのです。 今日の私は、あの子が生まれて初め…

あの日のあなたに惚れ直した瞬間

あなたへ もしもし?今、何してた? これから会いに行ってもいい? うん 良いけれど、もう、メイク落としちゃったよ 全然良いよ 少しだけ出ておいでよ 今から迎えに行くね これは、私の中に鮮明に蘇った、 あの日の私たちの電話でのやり取りです。 何気なく…

幸せが続く道

あなたへ ねぇ、あなた。 あの頃は良かったなって、 こんなふうに人生を振り返る言葉があるけれど、本当は、 あの頃も良かったな なのかも知れませんね。 こうして手紙を書くのも、気が付けば7年が過ぎました。 あなたへの手紙として残った私が歩んだ足跡を…

そちら側での今のあなた

あなたへ そっか 今のあなたはきっと、そちら側で、 やりたいことを見つけたんだね これは、昨夜の眠る前の私の小さな独り言です。 夢の中でのあなたの声を反芻しながら、私が思い出していたのは、 いつかの夢の中で、あなたが話してくれたことでした。 ここ…

昨夜の素敵な時間

あなたへ ねぇ、あなた。 私の我儘を聞いてくれて、ありがとう。 あなたに逢いたいと、昨夜の私はこんな手紙を送ったけれど、 私の我儘を聞いて貰えるだなんて、思ってはいなかったから、 とても驚いたけれど、とても嬉しかったよ。 昨夜は、あなたが電話を…

夢の中で逢いたい

あなたへ 最後にあなたの夢を見たのは、いつだっただろう。 夢の中で、久しくあなたとの時間を過ごせていないことに気が付いて、 寂しさを感じたのは、先日のことでした。 あなたの夢を見ていないと言うよりは、 なんの夢も見ていないと言った方が正しいのか…

あなたが持つ力

あなたへ 今のあなたって、本当に不思議。 あの夏からの私は、何度こんなふうに思ったでしょうか。 目の前に掛かった霧が晴れて、 スッキリとした気持ちで先を見つめながら、 改めて、これまでにあなたが見せてくれた、 不思議な出来事の数々を思い出してい…

立ち止まっていた数日間

あなたへ 自分にとって、真っ直ぐであろう道を歩んでいたはずだったのに、 此処に来て道に迷ってしまうだなんてと、焦りながらも立ち止まり、 迷走し続けていたのは、ここ数日間の私でした。 目の前に見つけたのは、2つに分かれた道。 探せばきっと、他にも…

ひとりで生きて行くためのテスト

あなたへ あれは、一人暮らしが始まった私への、あなたからのテストだったのでしょうか。もしもそうだとしたのなら、追試では合格点を貰えたでしょうか。あれは、お盆期間中のことでした。丁度、あの子と一緒に寛いでいた時間に、突然、警察官の訪問があった…

あの夏から抱えてきた願いごとの重さ

あなたへ あれからの私は、あの日に置いた願いごとを見つめながら、 もう、何度くらい、ため息を吐き出しただろう。 あなたは、幸せだったんだね 良かった 本当に良かった 小さく呟きながら、私が吐き出すため息は、 ただただ安堵に満ちたため息なのです。 …

あなたと私だけに見える景色

あなたへ あなたと2人で過ごした時間や、家族3人で過ごした時間。 そして、あの子と2人で過ごした時間。 私が歩んで来た道のりを振り返った時に、 胸の中へと鮮明に蘇った記憶を見つめる私ですが、 それら全ては、私の感覚で捉え、集めた記憶たち。 例えば同…

コトバ -心が結ばれる瞬間-

何気なく見上げた空に またひとつ 空に描かれた 大きなハートを受け取った 広い空を見上げた瞬間に ハート型を見つけた時はきっと 遠く離れた彼と 心がひとつに結ばれた瞬間なのだろう 足を止めて見つめた形は やがて 風と共に緩やかにその形を変えて 見慣れ…

25年の恋

あなたへ ねぇ、あなたは気付いていましたか。 今年の夏で、私たちが出会ってから、25年を迎えました。 25年前の今頃の私は、 あなたと出会ってから20日を迎えた私でした。 この20日間の間に、私は、何人の友人に報告をしただろう。 実はね、好きな人が出来…

夜のアイスクリーム

あなたへ アイスクリームが食べたい! 眠る前の時間であるにも関わらず、 こんな衝動に駆られたのは、先日のことでした。 突然に湧き上がってきた欲望に、 臨戦態勢だったはずの私の中に浮かんだのは、あなたの声。 たまにはいいんじゃない?って。 いやいや…

本当の夏の長さ

あなたへ 夏って、こんなに長かったかな 連日、夏の暑さを感じながら、 初めてこんな気持ちを見つけたのは、 あの子が生まれてから、何番目の夏のことだっただろう。 夏の季節になると毎年、高熱を出し、数日間を寝込んで過ごすことが、 いつの頃からかの恒…

マスク生活

あなたへ 長きに渡り、外出の際にはマスクの着用が必須だったこちら側ですが、 ここ最近では、屋外を歩く時はマスクをせずに、 屋内へ入る時だけ、マスクの着用へと変化して来ました。 そんな生活にも漸く慣れて来た私ですが、 慣れるまでの間には、 これま…

ひとりでお盆を迎える予行練習

あなたへ 未来を思い描きながら、 小さな胸の痛みを感じた日のことを思い出していたのは、お盆の前日。 提灯を組み立てていた時のことでした。 未来には、いつでも想像を超えた素敵な景色があるものなのだと、 これまでの私は、様々な出来事からこんな視点を…

お盆の思い出 2023

あなたへ 楽しい時間というのは、 いつでもあっという間に過ぎ行くものですね。 楽しみにしていた時が過ぎ去り、またこの家に1人になった私は、 このお盆に過ごした時間をゆっくりと思い返していました。 お盆の初日に目が覚めると、いつもとほんの少しだけ…

お盆 -2023-

あなたへ 今頃のあなたは、何をしているところだろう。 もう、そちら側を出発したのかな。 それとも、出掛ける準備を整えているところかしら。 ねぇ、あなた。 明日は何時頃、こちらに着く予定ですか。 今日の私は、ソワソワと落ち着かない気持ちで、 何度、…

あの子からの2つ目の贈り物

あなたへ いつにしようかと考えながらも、 なかなか、その日を決められずにいましたが、 今日の私は遂に、アレを使いました。 アレ、とは即ち、母の日にあの子がくれた、2つ目の贈り物です。 あの日のあの子が、電話を切った後で私に贈ってくれたのは、 ド…

あなたを想う日 -2023-

あなたへ あなたのその手の温もりを最後に感じたあの日から、9年が経ちました。 今日の私は、静かに空を見上げながら、あなたを想いました。 今日のあなたは、どんな景色を見ていましたか。 あなたを見送ってから、何番目のこの日からだっただろう。いつの頃…

最後の献立表

あなたへ これは、ずっとここに貼っておいてね いつかのあの子の声を思い出しながら、 暫くの間、私が見つめていたのは、我が家の冷蔵庫のドア。 長きに渡り、 もはやそれが我が家の冷蔵庫のドアの色の一部であるかのように馴染んでいたのは、 あの子が中学3…