拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

2023-01-01から1年間の記事一覧

時間を戻すことが出来ない理由

あなたへ そっか。 だからきっと、この世界では、 時間を戻すことが出来ないんだね。 あの日届いたあなたの想いを反芻しながら、 この夏に置いていくと決めた私の想いを、改めて見つめてみました。 どうしても、やり直したい日があります あの夏からの私が抱…

コトバ -夏の音 2023-

今年もまた夏が来たよ 空の彼方へ小さく呟いて 本格的に聞こえ始めた夏の音に 耳を傾けながら 彼がいた夏の記憶を順番に辿ってみる 出会った日の彼の声と笑顔 彼の大きな手に包まれた感触 彼と家族になって初めて迎えた夏 あの子の成長を見つめる彼のたくさ…

夏休みの始まりに思い描いた未来

あなたへ 我が子が社会に出ると、 夏休みや冬休み、春休みの感覚が薄れて行くのだと、 かつての職場の先輩が、こんな話を聞かせてくれたことがありましたが、 あの頃の先輩の言葉の意味が、漸く、私にも分かったような気がします。 朝から元気に自転車に乗っ…

あの子との貴重な1日

あなたへ 静かに玄関が開く音がして目が覚めたのは、 今朝の4:30頃のことでした。 え?何?今、玄関が開く音がしたよね あり得ない時間の物音に、寝惚けた頭のまま、 僅かに物騒なことを想像しながらも、恐る恐る起き出してみれば、 はい!おはよう!って、 …

不思議なタイミング

あなたへ やっぱり、 少しだけそっちに寄ってから帰ることにしようと思うんだけれど、 家にいる? あの子からこんな連絡が入ったのは、一昨日のことでした。 明日は、あの子が、少しだけ帰って来ます。 用事から、この週末には、 こちらの方面へ帰って来るこ…

あの夏から抱えた願いごと

あなたへ 運命を変えなくてもいい。 でも、1日だけ、やり直したい日があります。 あなたを見送ってからの私は、ずっとこんな願いを抱えたまま、 此処までを歩んで来ましたが、あなたはきっと、違ったんだね。 こうして、あなたへの手紙を綴りながら、時々に…

新しい色

あなたへ 新たな出会いが訪れた時というのは、 必ず、その時の自分に必要な色を足してくれる人との出会いであるのかも知れないと、 こんな手紙を書いたのは、今年の春の頃のことでした。 あの頃の私が置かれた環境は、 あの子が此処から巣立ったこと以外、特…

我が子と離れて暮らすということ

あなたへ 体調崩してない? 元気? あの子から、こんな第一声の電話が掛かって来たのは、 先日のことでした。 何故だか私の体調ばかりを気にするあの子は、 私が相変わらずに元気であることを確認すると、 実は体調を崩してしまって、 数日前まで、とても辛…

死別シングルマザー

あなたへ うちが母子家庭だということに初めて気が付いたのは、 あなたを見送ってからどれくらいが経った頃だっただろう。 うちは母子家庭だね これは、いつかのあの子の言葉です。 あなたを見送り、あの子と2人きりになってしまったにも関わらず、 私は、あ…

新たな問題点

あなたへ まだ梅雨明け前のはずですが、 今年のこちらでは、連日、真夏のような暑さを感じられ、 そして、なんだか多い気がするのは、雷です。 突然の豪雨と、もの凄い雷の音に、気持ちが落ち着かず、 意味もなく、部屋の中をウロウロとしながら、 今年の私…

そちら側のあなたと喧嘩をした日

あなたへ あの子と2人で、あなたのものを整理した日のことを思い返しながら、 そして、箱の中を改めて見返しながら、 思い出していたのは、あの日のことでした。 こうして改めて振り返ってみても、 あれはやはり、たった一度だけ、 そちら側のあなたと、こち…

ずっと先の未来のあの子へのサプライズ

あなたへ 長かった大掃除も、漸くひと段落を迎え、 改めて、随分と少なくなったあなたのものが入った箱の中を見つめてみました。 私たちが出会う前に、あなたが歩んだ証。 そして、私たちが出会ってからのあなたが歩んだ証。 実はこれらの殆どは、あの子が残…

七夕 -2023-

あなたへ そちら側のあなたが、 たくさんの愛で満たされていますように。 あの子の歩む道が、 いつでも明るい光に照らされていますように。 そっと願いを込めて、 あなたとあの子の笑顔を思い浮かべました。 今日は七夕の日。 今夜のあなたは、どんな空を見…

7月

あなたへ この2023年も半分を過ぎ、今日から7月に入りました。 今日の私は、この半年間での出来事をゆっくりと思い出していました。 あの子の巣立ちを控えて、お布団の中で泣いたこと。 あの子と一緒に、あなたのものを整理したこと。 あの子が巣立つ前に掃…

私が歩んだ道のり

あなたへ ねぇ、あなた。 色々と凄いことに気が付いてしまいました。 これまでに歩んだ私の道のりを、改めて振り返ってみれば、 なんだか映画でも観ているような気持ちになってしまったのは、昨夜の私でした。 今の私が、自分なりに楽しみながら、ひとりで歩…

軌道修正

あなたへ 1人だし、今日は簡単なもので良いかな 今日は・・・簡単でいいよね 私1人だしね ここ最近の私がついつい手を抜いていたのは、食事の準備でした。 連日、簡単な食事で済ませながら、 やるべきことに向き合ってきた私ですが、 ふと、気が付きました。…

6年前の梅雨の日

あなたへ 6年前の丁度、今頃の時期を思い出していました。 あの年の梅雨には、 あの子が生まれて初めて見たものがありました。 星が飛んでいるみたいだね 小さな子供みたいに大はしゃぎで、あの日のあの子が見つめていたのは、 ホタルでした。 あれは、あの…

今年の梅雨入り

あなたへ そういえば、いつの間にか梅雨入りしてたんだね 今年の私は、 梅雨入りのことなど全く気にせずに、歩みを進めていたのだと、 漸く気が付いたのは、 梅雨に入ってから、どれくらいが経ってからのことだっただろう。 毎日、自分なりの前を見て、歩み…

修行を終えた先

あなたへ 人生は修行だって、こんな言葉があるでしょう? 人は何度も生まれ変わって、何度も修行を重ねながら、魂を磨くんだよ とか、 魂を磨くために、色々な困難な出来事と遭遇するんだよ とか、 こんな話はきっと、あなたも聞いたことがあるでしょう? 人…

きのこの置き物

あなたへ 何色がいい? ひとつ買ってあげるよ 赤、青、黄色が並ぶ中、 あの時の私は、赤と黄色でとても迷ったけれど、赤を選んだのでした。 あの日のあなたが私に買ってくれたのは、 可愛らしいきのこの置き物でした。 あれは、あなたと2人で買い物へ出掛け…

あなた -2023-

あなたへ あなたを見送り、 あなたの名前を口に出すことが、とても少なくなったことに気が付いて、 その顔を見つめながら、 名前を呼んでみたのは、いつの頃だったでしょうか。 自分が思っていたよりも、ずっと小さく、そして、ちょっとかすれた自分の声に驚…

おみくじの言葉

あなたへ あの子が歩んだ道を振り返りながら、 そして、夢を目標へと変えて、しっかりと前を見据えた私の中に、 ふと蘇ったのは、おみくじに書かれていた言葉でした。 明けない夜はない これは高校生の頃のあの子が引いたおみくじの中に書かれていた一説でし…

孤独死を身近に知って

あなたへ 私ね、こんなふうに生きて行きたい こんな自分になって、こんなことをして、 こんなことにも挑戦したいな それでね、いつか、こんなことをやってみたいの 夢を叶えた先の夢までもをあの子に話して聞かせたのは、 いつの頃だっただろう。 それは、一…

あの子にとっての正しい道

あなたへ あの時、もしも選ぶ道が違ったら、 ここに通っていたんだね あの子とこんな話をしたのは、 一時のあの子が受験をするかどうかを迷っていた高校の前を、 通り掛かった時のことでした。 あれは、あの子の巣立ち前。 あの子の専属運転手として、 一緒…

最近の私の楽しみ

あなたへ 何か、ちょっとした楽しみの時間が欲しい。 日々、自分のやるべきことに向き合う私ですが、 小さな楽しみが欲しいなって、こんなことを考えたのは、 今月に入ってからのことでした。 あまり時間が掛からずに、 短時間で楽しめて、ホッと出来るよう…

息子ロス

あなたへ 息子が巣立った時はね もう、何も手につかなくてね 私、ずっと寝てたのよ これは、かつての職場で一緒に働いていた方の言葉でした。 あの子よりも少し年上の息子さんを持つその方は、 我が子が巣立った日から、寂しさのあまりに何も手に付かず、 そ…

長い間封印されていた記憶

あなたへ え?なんか怖い! 怖いよね? ねぇ、あなた!! こわーい!! 思わずひとりで物凄く動揺してしまったのは、 ふと、自分の幼少期の頃のことを思い出したからでした。 人生ってきっと、決まっているんだろうな 漠然とこんなことを考えていたのは、ま…

初めての問題点

あなたへ 困りました。 実に困りましたよ。 あの子が巣立ってから初めて、 ひとりではどうすることも出来ない物事へ直面したような気がします。 テレビ番組の予告から、昔から好きだった番組が放送されることを知り、 早速、録画の予約をした私ですが、ふと…

コトバ -大丈夫の魔法-

大丈夫 大丈夫だよ 絶対に大丈夫 私は何度 この言葉に救われてきただろう 大丈夫 これは彼がくれた魔法の言葉だ 私は彼がくれた大丈夫の魔法を使って 此処までを歩んで来た 大丈夫 大丈夫 こう自分に声を掛けてみれば 全然大丈夫ではなかったはずなのに いつ…

壮大なストーリーの中で

あなたへ 8月8日に、息を引き取ったあなた。 そこには、見えない力がきっと働いていたのだろうって、 私がそう考えたのは、 その日が、あなたのお父さんの誕生日だったからでした。 やがて月日が流れて、あなたと出会った日を思い出した私は、 その日につい…